タイトル 平成椿説文学論
刊行日 2019年10月31日
著者 富岡幸一郎
定価 1800+税
ISBN 978-4-8460-1848-1
Cコード C0095
ページ数 240
判型 四六
製本 上製
内容
1979(昭和54)年に『群像』評論部門新人賞でデビューして以来、40年以上、批評家として活躍する富岡幸一郎。埴谷雄高、三島由紀夫、そして戦後文学を論じ、さらに近代の問題を追及するなかでキリスト教に出会い、カール・バルトを研究してドイツ留学した。同時に社会的発言や執筆も続けており、真正保守の論客としても活躍している。

 三島由紀夫の自決から来年で半世紀。平成の30年間は「日本」がなくなっていく時間であったとみなす。この平成という時代の崩壊し腐食してゆく「日本」を、文学の言葉によってとらえようとした。それは、政治学でも経済学でも社会学でもなく、文学が放つ言葉の力だけを信じるということだ。取りあげた文学作品は、明治以降の作家、とりわけ昭和の文学、戦後文学を中心に、これらを平成という時間の中、崩壊する時間の中で論じた。

 吉田満、大岡昇平、中島敦、新渡戸稲造、野間宏、林房雄、夏目漱石、芥川龍之介、太宰治、島崎藤村、小島信夫、富岡多恵子、舞城王太郎、坂口安吾、古山高麗雄、目取真俊、大城立裕、江藤淳、内村鑑三、河口慧海、武田泰淳、中野重治など
著者紹介
関東学院大学文学部比較文化学科教授、鎌倉文学館館長。1957年生まれ。中央大学文学部仏文科卒業。第22回群像新人文学賞評論部門優秀作受賞。


著書『戦後文学のアルケオロジー』(福武書店 1986年)『内村鑑三 偉大なる罪人の生涯』(シリーズ民間日本学者15:リブロポート 1988年/中公文庫 2014年) 『批評の現在』(構想社 1991年)『仮面の神学 三島由紀夫論』(構想社 1995年)『使徒的人間 カール・バルト』(講談社 1999年/講談社文芸文庫 2012年)『打ちのめされるようなすごい小説』(飛鳥新社 2003年)『非戦論』(NTT出版 2004年)『文芸評論集』(アーツ・アンド・クラフツ 2005年)『講座日本のキリスト教芸術3 文学』(日本基督教団出版局 2006年)『温泉小説』(アーツ・アンド・クラフツ 2006年)『スピリチュアルの冒険』(講談社現代新書 2007年)『千年残る日本語へ』(NTT出版 2012年)『最後の思想 三島由紀夫と吉本隆明』(アーツアンドクラフツ 2012年)『北の思想 一神教と日本人』(書籍工房早山 2014年)『川端康成 魔界の文学』(岩波書店〈岩波現代全書〉2014年)『生命と直感 よみがえる今西錦司』(アーツアンドクラフツ 2019年)他、共編著・監修多数。
目次
第一論 文学における「戦争」と「平和」/吉田満『戦艦大和ノ最期』、大岡昇平『野火』/第二論 戦前・戦中日本人の東亜への真摯な態度/中島敦『南島譚』/第三論 われ 太平洋の 橋とならん/新渡戸稲造の植民政策論、野間宏『さいころの空』/第四論 文学者による歴史的「戦争論」/林房雄『大東亜戦争肯定論』/第五論 時代の不安を物語る/夏目漱石『現代日本の開化』、芥川龍之介『或阿呆の一生』/第六論 言葉につながるふるさと/太宰治『津軽』、島崎藤村『夜明け前』/第七論 漂流する家族/小島信夫『抱擁家族』、富岡多恵子『波うつ土地』、/舞城王太郎『みんな元気。』/第八論 歴史への返答としての文学/坂口安吾『戦争と一人の女』、古山高麗雄『セミの追憶』/第九論 沖縄というトポスの逆説/目取真俊『虹の鳥』、大城立裕『カクテル・パーティー』/第十論 日本文学に跋扈(ばっこ)するデマの怪物/江藤淳『批評と私』/第十一論 「国土」という意識の喪失/内村鑑三『デンマルク国の話』/第十二論 チベットと日本人/河口慧海『チベット旅行記』/第十三論 「先住民族」という幻想/武田泰淳『森と湖のまつり』/第十四論 国家論の不在と文学/中野重治『五勺の酒』
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