タイトル 池田龍雄の発言
サブタイトル 絵画のうしろにあるもの
刊行日 2018年5月
定価 2200+税
ISBN 978-4-8460-1724-8
Cコード 0071
ページ数 240
判型 四六
製本 上製
内容
1928年、昭和3年生まれの池田龍雄は戦時中、少年特攻隊員として訓練を受け、死に直面するなかで敗戦を迎えた。戦後、教師を志したが、当時、戦犯的扱いから果たせず、現代の多摩美術大学で美術を学ぶ。岡本太郎、安部公房、花田清輝らの「夜の会」などの前衛運動に参加して作品を発表し、ルポルタージュ絵画として注目される。
その後も美術の前衛を進み、同時に社会の前衛も一つだとして、社会的発言・活動を行いながら、現在に至る。2010〜2011年には山梨県立美術館などで大規模な回顧展を開催し、2018年には練馬区立美術館で個展を開催予定である。著書多数。また『泣いたあかおに』などの童話の挿画も多数。
 今回は、ミニコミ誌『新聞ゼロ』に長年発表してきた社会的発言の文章を中心に、岡本太郎、アンデンパンダン展、1950年代からの前衛、アヴァンギャルド美術などについて述べ、書き、語ったものを集めた。合わせて、当時を中心としたペン画なども掲載する。
著者紹介
1928年(昭和3年)8月15日佐賀県生まれ。画家。1943年に海軍航空隊に入隊し鹿児島海軍航空隊に配属。1945年4月、特攻隊員となり、霞ヶ浦航空隊で終戦をむかえる。11月15日に佐賀師範学校本科1年に編入されるが占領政策により一年で退学となる。1948年に多摩造形芸術専門学校(多摩美術大学)入学。
岡本太郎、花田清輝、安部公房、埴谷雄高らの研究会に参加し、「夜の会」、「アヴァンギャルド芸術研究会」「世紀の会」に参加して活動する。1950年代には社会問題への関心を高めて、絵画によるルポルタージュの可能性を探る作品を発表。1954年読売アンデパンダン展で発表した『網元』が安部公房によって新聞に紹介され注目を浴びる。以降、前衛(アヴァンギャルド)美術の道を進み、数多くの作品を発表し、同時に美術や社会についての文章を発表する。
他方、1958年に福音館書店の絵本誌『こどものとも』29号の木島始『ろくとはちのぼうけん』挿絵をきっかけに、多くの絵本の挿絵も手がけている。
◆展覧会
2010-11年「池田龍雄 アヴァンギャルドの軌跡」展(山梨県立美術館、川崎市岡本太郎美術館、福岡県立美術館巡回)2012-13年「TOKYO1955-1970:新しい前衛」展(ニューヨーク近代美術館/MoMA)ほか美術館企画展、個展、グループ展多数。
パブリックコレクション:国立国際美術館、東京国立近代美術館、東京都現代美術館、川崎市岡本太郎美術館 ほか
◆著作
『夢・現・記 一画家の時代への証言』1990年
『蜻蛉の夢—記憶・回想そして絵画』2000年
『芸術アヴァンギャルドの背中』2001年
『池田龍雄画集』2006年
『視覚の外縁—池田龍雄文集拾遺』2008年
『池田龍雄-アバンギャルドの軌跡-』2010年
◆絵本(挿絵)
『ないた あかおに (絵本・日本むかし話)』浜田廣介、1965年
『しろいいぬ くろいいぬ』マリオン・ベルデン・クック、1977年
『両棲人間』 (少年少女世界SF文学全集)アレクサンドル・ベリャーエフ、1982年
『デブの国ノッポの国』アンドレ・モーロワ、2002年
『星のカンタータ』三木 卓、 2010年
など
編集者コメント
長年、美術の前衛、そして社会の前衛を追求し、絵画を中心にパフォーマンス、そして執筆活動を活発に続けてきた池田龍雄。
特攻隊員として敗戦を迎え、美術の道で前衛を求め、社会に対峙してきたが、現代という時代が徐々に戦争の暗い影を忍ばせ始めたことに強い危機感を抱いている。そのため、今回の練馬区美術館の個展を契機に、これまでの社会的発言を中心とした文章などを一冊にまとめ、閉塞感のある現代に一石を投じる。
目次
はじめに
第一章 詩的文章
 洞窟(アフガニスタン)
 空
 十六歳、未遂の遺書
 僕らを傷つけたもの ほか
第二章 社会批評
 「聖戦」の論理
 戦争と美術
 歴史はフィクションか
 岡本太郎について
 靖国の闇を見る
 わたしにとっての五〇年代美術 ほか
第三章 発話
 アンデパンダン展とパフォーマンス
第四章 社会と絵画
 池田龍雄のペン画作品
解説 宮田徹也(京都嵯峨芸術大学客員教授)
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