タイトル 渡辺啓助探偵小説選Ⅱ
刊行日 2019年7月10日
著者 渡辺啓助・著 小松史生子・編
定価 3,800円+税
ISBN 9784846018061
Cコード C0093
ページ数 424
判型 A5
製本 上製
シリーズ名 論創ミステリ叢書
シリーズ番号 120
内容
戦前期探偵小説文壇の生き証人として最晩年まで現役を貫き通した、渡辺啓助の豊饒な物語世界・第二弾! 地方新聞連載の知られざる名作「吸血劇場」を70年ぶりに復刻する他、昭和二十年代に発表された膨大な短編群から「妖美」と「推理」をテーマにした作品を精選集成。四女・渡辺東氏の書下ろしエッセイ「父と私と渋川の思い出」では、かつて父と過ごした群馬県渋川市での貴重な思い出が語られます。
著者紹介
渡辺啓助(わたなべ・けいすけ)
 1901年、秋田県生まれ。本名・圭介(けいすけ)。九州帝国大学法文学部史学科在学中の29年、実弟の温とともに江戸川乱歩名義でE・A・ポーの短編を翻訳し、映画俳優のゴーストライターを務め「偽眼(いれめ)のマドンナ」を執筆する。卒業後は教員を務めながら創作活動を行い、37年より専業作家となった。42年、陸軍報道部の従軍記者として大陸に派遣され、その時の体験を基にした小説「オルドスの鷹」などが三期続けて直木賞候補に挙げられた。戦後は作家グループのまとめ役として日本探偵作家クラブ(現・日本推理作家協会)会長を務め、SF同人グループ〈おめがクラブ〉の創立にも尽力。書画や詩作なども積極的に手掛けており、80年には文芸サークル「鴉の会」を立ち上げた。2002年逝去。

[編者]
小松史生子(こまつ・しょうこ)
 1972年、東京都生まれ。金城学院大学文学部日本語日本文化学科教授。専攻は日本近代文学。著書に『乱歩と名古屋―地方都市モダニズムと探偵小説原風景』、『東海の異才・奇人列伝』(ともに風媒社)、『探偵小説のペルソナ ―奇想と異常心理の言語態』(双文社出版)があるほか、共著や監修書も多数。
編集者コメント
浜田雄介・編『渡辺啓助探偵小説選Ⅰ』に続く、渡辺啓助作品集の第2弾です。本巻には終戦直後から戦争の傷痕が癒え始めた戦後十年間に発表された作品のうち、第1巻と同じく特定の評価軸から漏れてしまった作品を選りすぐってお届けします。渡辺啓助氏の四女・渡辺東さんからは、渋川在住時代の思い出を綴った書下ろしエッセイをご寄稿いただきました。
目次
【創作篇】
 姿なき花婿
 紫水晶の女
 焼跡の悪魔達
 窓辺に天使ありき
 黒猫館の秘密
 密室のヴィナス
 吸血劇場
 浴場殺人事件
 黒い扇を持つ女
 モンゴル怪猫伝
 シミーズの中味
 女王の浴室
 水着ひらめく
 肉体定価表
 美しき尻の物語
 黒い天使の寝台
 女レスリング奇譚

【評論・随筆篇】
 弟ワタナベオンの思い出
 薔薇雑記(『シュピオ』連載)
 新版 薔薇雑記(『真珠』連載)
 探偵小説芸術論
 50年度の回想と51年度への展望
 亡弟温の「影」
 忘れがたき一夜
 明るく楽しい海野氏
 わが創作法
 論争ものとスリラー
 探偵小説四十年
 推理小説とともに
 渡辺温のこと


渡辺東 父と私の渋川の思い出
編者解題
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