タイトル | 蓮田善明 戦争と文学 |
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刊行日 | 2019年1月30日 |
著者 | 井口 時男 |
定価 | 2800円+税 |
ISBN | 978-4-8460-1746-0 |
Cコード | 0095 |
ページ数 | 320 |
判型 | 四六 |
製本 | 上製 |
内容
蓮田善明(はすだ ぜんめい、1904~1945年)は『鴎外の方法』『本居宣長』『鴨長明』などの著書のある国文学者、文芸評論家で、『文藝文化』を創刊し日本浪曼派として活躍。三島由紀夫に大きな影響を与えたことで知られる。出征し敗戦時にジョホールバルで連隊長を射殺し、自決した。/三島との関係で知られる蓮田善明は、日本浪漫派のなかでも重要な役割を果たした。井口時男はこの蓮田善明を、自決に至る戦争との関わり、そして文学との関わりを中心に描き出す。戦争と文学を考える上でも大きな存在であり、三島や日本浪漫派、保田與重郎を含めて蓮田善明を論じる、初の本格論考。
著者紹介
文芸評論家。 1953年新潟生まれ。東北大学文学部卒業。1983年、中上健次論「物語の身体」で群像新人文学賞評論部門受賞。東京工業大学助教授、のち教授。1994年『悪文の初志』平林たい子文学賞受賞、1997年『柳田國男と近代文学』伊藤整文学賞受賞。
著書『物語論/破局論』(論創社)『悪文の初志』(講談社)『柳田国男と近代文学』(講談社)『批評の誕生/批評の死』(講談社)『危機と闘争 大江健三郎と中上健次』(作品社)『暴力的な現在』(作品社)『少年殺人者考』(講談社)『天來の獨樂』(第一句集、深夜叢書社)共著『文学を科学する』(岩山真,徃住彰文共著、朝倉書店)
著書『物語論/破局論』(論創社)『悪文の初志』(講談社)『柳田国男と近代文学』(講談社)『批評の誕生/批評の死』(講談社)『危機と闘争 大江健三郎と中上健次』(作品社)『暴力的な現在』(作品社)『少年殺人者考』(講談社)『天來の獨樂』(第一句集、深夜叢書社)共著『文学を科学する』(岩山真,徃住彰文共著、朝倉書店)
目次
序章 いまだ「解禁」されざるもののために―保田與重郎と三島由紀夫と蓮田善明/第一章 文学者の戦争 玉井伍長(火野葦平)と蓮田少尉/第二章 教育者・蓮田善明の「転向」 付・二つの宣長論と二つの公定思想/第三章 文学(一)詩・短歌・俳句―趣味の自己統制/第四章 文学(二)古典論―大津皇子へ 付・キルケゴールと保田與重郎/第五章 内務班 帝国軍隊の理念と現実 付・杉本少佐と村上少尉/第六章 戦地(一)聖戦の「詩と真実」/第七章 戦地(二)「山上記」または美と崇高と不気味なもの/第八章 戦地(三)「詩の山」の『古今集』、または古典主義と浪曼主義/第九章 戦地(四)晏家大山と伊東静雄「わがひとに与ふる哀歌」/第十章 戦地(五)晏家大山または山巓のニーチェ/第十一章 戦地(六)詩と小説の弁または戦場のポスト・モダン/第十二章 文学(三)表象の危機から小説『有心』へ/第十三章 文学(四)小説『有心』と『鴨長明』、または詩と隠遁/第十四章 文学(五)小説『有心』、または、生の方へ、温かいものの方へ/第十五章 文学(六)『有心』の三層構造―冷たいもの/温かいもの/熱いもの/第十六章 文学(七)謎解き『有心』―再び「死=詩」の方へ/第十七章 文学(八)「文藝文化」と危機の国学 付・三島由紀夫と保田與重郎/終章 最期の蓮田善明―非転向者の銃口/蓮田善明年譜/あとがき
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