タイトル | ルポ 闘う情状弁護へ |
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サブタイトル | 「知的・発達障害と更生支援」、その新しい潮流 |
刊行日 | 2020年3月19日 |
著者 | 佐藤幹夫 |
定価 | 2400円+税 |
ISBN | 978-4-8460-1903-7 |
Cコード | 0036 |
ページ数 | 304 |
判型 | 四六 |
製本 | 並製 |
内容
司法は「障害」をどう裁いてきたか。
2012年に大阪市で起きた「実姉殺人事件」と2017年津久井やまゆり園の「優生思想テロ」は連動している、とした著者の7年間にわたる〈法廷ドキュメンタリー〉の集大成。障害と犯罪と司法に新視点を導入する!
私の最大のテーマは、「障害/健常」などという分断の必要のない社会、そんな言葉自体がなくても暮らしていける社会がどうすれば可能なのかというものです。そんなことは非現実的な夢想にすぎない、と“リアリスト”を自称する人たちからは嘲笑されるでしょうが、ともあれ、自分自身の著作が背理であり、この背理をどうクリアしていくか。そのこともまた重要な課題でした。(「はじめに」より)
2012年に大阪市で起きた「実姉殺人事件」と2017年津久井やまゆり園の「優生思想テロ」は連動している、とした著者の7年間にわたる〈法廷ドキュメンタリー〉の集大成。障害と犯罪と司法に新視点を導入する!
私の最大のテーマは、「障害/健常」などという分断の必要のない社会、そんな言葉自体がなくても暮らしていける社会がどうすれば可能なのかというものです。そんなことは非現実的な夢想にすぎない、と“リアリスト”を自称する人たちからは嘲笑されるでしょうが、ともあれ、自分自身の著作が背理であり、この背理をどうクリアしていくか。そのこともまた重要な課題でした。(「はじめに」より)
著者紹介
佐藤幹夫(さとう・みきお)
1953年生まれ。秋田県出身。養護学校の教員を20年以上勤める。その後フリージャーナリストとして活動。批評誌『飢餓陣営』の主宰者として、思想・文学・心理学など幅広い分野で評論活動も行う。
著書に『自閉症裁判』(朝日文庫)、『一七歳の自閉症裁判』(岩波現代文庫)、『知的障害と裁き ドキュメント千葉東金事件』(岩波書店)、『ルポ認知症ケア最前線』I(岩波新書)、『ルポ高齢者ケア 都市の戦略、地方の再生』(ちくま新書)、『評伝島成郎』(筑摩書房)など多数。
1953年生まれ。秋田県出身。養護学校の教員を20年以上勤める。その後フリージャーナリストとして活動。批評誌『飢餓陣営』の主宰者として、思想・文学・心理学など幅広い分野で評論活動も行う。
著書に『自閉症裁判』(朝日文庫)、『一七歳の自閉症裁判』(岩波現代文庫)、『知的障害と裁き ドキュメント千葉東金事件』(岩波書店)、『ルポ認知症ケア最前線』I(岩波新書)、『ルポ高齢者ケア 都市の戦略、地方の再生』(ちくま新書)、『評伝島成郎』(筑摩書房)など多数。
目次
はじめに 「障害と司法」というテーマをどう受け止めてきたか
プロローグ パラダイムの転換と〝新しい潮流〞の背後にあるもの
第Ⅰ部 ドキュメント 大阪地裁判決はなぜ求刑を上回ったのか
第一章 二〇一二年七月、ある判決、噴出する批判――アスペルガー症候群と裁判員裁判
第二章 加害男性の見ていた世界――なぜこのような惨劇がおこったのか
第三章 男性は何を語ったか――大阪に弁護団を訪ねて
第四章 高裁判決と弁護団のふり返り――刑事弁護と情状弁護
第五章 出所者を福祉につなぐ――「地域生活定着支援センター」の現状と課題
第Ⅱ部 「障害と刑事弁護」、その始まりと先駆者たち
第六章 「知的障害」をもつ人の刑事弁護はどう始まったか――「悪い障害者」は支援しない
のか
第七章 副島洋明という刑事弁護人――「金を払って弁護士を雇え!」
第八章 「自閉症スペクトラム障害」を初めて正面にすえて闘う――二〇〇五年大阪寝屋川事件で少年の「障害」はどう裁かれたか
第九章 更生支援、まずは支援者こそ発想の転換を――「ふるさとの会」の生活支援と司法と
の連携
第Ⅲ部 司法と福祉の協働が新たな「人権侵害」とならないために
第一〇章 福祉の仕事は「再犯防止」か――「更生支援計画書」の誕生、ある社会福祉士の危惧
第一一章 治療的司法と新しい「協働支援」――排除型の裁判から社会包摂へ
第一二章 社会内処遇の新たな試み――更生を支えるものはなにか
第一三章 協働的更生支援、これからの課題――支援の理論と方法
エピローグ 新しい更生支援のその先へ
プロローグ パラダイムの転換と〝新しい潮流〞の背後にあるもの
第Ⅰ部 ドキュメント 大阪地裁判決はなぜ求刑を上回ったのか
第一章 二〇一二年七月、ある判決、噴出する批判――アスペルガー症候群と裁判員裁判
第二章 加害男性の見ていた世界――なぜこのような惨劇がおこったのか
第三章 男性は何を語ったか――大阪に弁護団を訪ねて
第四章 高裁判決と弁護団のふり返り――刑事弁護と情状弁護
第五章 出所者を福祉につなぐ――「地域生活定着支援センター」の現状と課題
第Ⅱ部 「障害と刑事弁護」、その始まりと先駆者たち
第六章 「知的障害」をもつ人の刑事弁護はどう始まったか――「悪い障害者」は支援しない
のか
第七章 副島洋明という刑事弁護人――「金を払って弁護士を雇え!」
第八章 「自閉症スペクトラム障害」を初めて正面にすえて闘う――二〇〇五年大阪寝屋川事件で少年の「障害」はどう裁かれたか
第九章 更生支援、まずは支援者こそ発想の転換を――「ふるさとの会」の生活支援と司法と
の連携
第Ⅲ部 司法と福祉の協働が新たな「人権侵害」とならないために
第一〇章 福祉の仕事は「再犯防止」か――「更生支援計画書」の誕生、ある社会福祉士の危惧
第一一章 治療的司法と新しい「協働支援」――排除型の裁判から社会包摂へ
第一二章 社会内処遇の新たな試み――更生を支えるものはなにか
第一三章 協働的更生支援、これからの課題――支援の理論と方法
エピローグ 新しい更生支援のその先へ
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