タイトル 夢みる野菜
サブタイトル 能登といわき遠野の物語
刊行日 2016年6月20日
著者 細井勝
定価 1,600円+税
ISBN 978-4-8460-1543-5
Cコード 0036
ページ数 272
判型 四六
製本 並製
内容
日本の食と地域を考える 能登の先端・珠洲市の限界集落で無農薬農法による野菜作りをする若者と、過疎化が進むいわき市遠野で震災の風評被害に立ち向かう生産者が、野菜をつうじた交流をもとに〈新たな地域社会〉の再生を目指す。


著者紹介
細井 勝 (ほそい・まさる)
1954年、金沢市生まれ。20年にわたる新聞記者生活を経て独立後、金沢を足
場にノンフィクション取材を手がけ、主な著書に『加賀屋の流儀』『遭難者を救助せよ』(いずれもPHP研究所) 『稚抽出なる者は去れ』(講談社)などがある。
目次
目次

はじめに

第1章 海の底から広がった農業の夢

・海があえいでいる

・「もしも」の奇跡を期待させた野菜

・社屋も倉庫も金もない

・風当たりの強いしがらみの土地

・甲子園を夢見た高校球児

・人を感動させる仕事に就きたい

・プロのダイバーから足を洗う

・国連機関の調査がもたらした道

・「こだわり農業を貫け」

・「誰も立ち上がらないなら自分が立て」

・大義は地域を持続させる農業ビジネス

・独立していく人材の育成を志す


第二章 無化学・無農薬農業への挑戦

・培養した土着菌が強い味方に

・硝酸態窒素を抑えるこだわり

・日本海と富山湾を見下ろす畑

・科学で化学を抑え込む

・農作業をデータバンク化する

・大赤字を出した一年目の失敗

・新規就農者を供給する会社

・運転資金の確保に別会社で活路

・能登に生きるスーパーが生命線

・「夢なんか見ても食ってはいけない」

・無化学農法を標ぼうできない苛立ち

・有機JASの認証を急がない思惑

・評価される異能の農業経営センス


第三章 夢見る力が若者たちの生きる糧

・夢をともに追える仲間たち

・プロボクサーを目指した夢ついえ

・徹底して野菜に寄り添う覚悟で生きる

・独立して考案した土壌の太陽熱消毒

・潜水漁の稼ぎを投げ打ち農業へ

・転身を決意させた能登半島地震

・ベジュールはもはや人生の舞台

・四人の子を抱え農業に走る

・マニュアルが通じないから頑張れる

・オールマイティのマルチな女性

・支配的と見られても仕方ない

・誰でも使える栽培テキスト作りに知恵

・足袋抜を手ほどきした先輩ダイバー

・真骨頂は原価意識の高さ

・健康野菜の魅力を伝道する管理栄養士

・独立を条件に一年だけの社員に

・農業は自然を相手に生きていける

・会計事務所を辞めて一念発起

・ほろ苦かった独立一年目

・自分の畑に適した土壌を作ってみせる

・プロバスケに挑み続けた青春に幕

・この珠洲にも夢追い人がいた

・古里の祭りに不可欠な太鼓の名手

・「僕が借金してすむのなら」


第四章  夢の舞台は世界農業遺産

・能登は夢のゆりかご

・「SATOYAMA」はすでに世界語

・輝きを失っていた能登の海

・変化を促す導火線であればいい

・男性的な外浦と女性的な内浦

・夢追う心に磨きをかけた過酷な自然

・世界的天文学者が見た明治の能登

・日本海がもたらした寄り神伝承

・凄まじいキリコ祭りの吸引力

・10年刻みで3500人ずつ人口が減る現実

・能登に息づく文化風土「あえのこと」

・能登の人の心には田の神様が実在する

・限界集落はもう間近なのか

・里山マイスターの若者五二人が能登に定住

・ベジュールを見守る大学教授たち

・臨場感にあふれた足袋抜の卒業論文

・「泥をすすっても生き残る」と誓った難聴の青年

・農業で癒しを試みるメンタルヘルス・プログラム


第五章 いわき遠野物語

・ベジュールといわき遠野を結びつけた人

・理科室はおとぎの部屋だった

・大学一年で早くも起業

・免疫学の世界的権威との出会い

・「科学の目と詩人の心を忘れるな」

・化学は遠くに置き、科学と知恵を重視する

・古里が生き残るエンジンでありたい

・無化学・無農薬野菜で活路を拓こう

・退路を断っての新たな船出

・暗転をもたらした東日本大震災

・起死回生の決め手は「魔法の野菜スープ」

・「馬鹿がいないと地域は救えない」

・いわき遠野に醸し出る深い精神世界

・遠野への愛情をよすがに生きる古老

・「人は働くことによって道が開けてくるんだ」

・「人に喜びを与えねば世の中、回らねえ」

・零細農家にかけがえのない食品加工拠点

・魔法のスープから検出された豊富な野菜成分に自信

・八万パックの受注で夢の入口に立つ

・被災地ゆえに備蓄食の開発にも汗

・ベジュールで研修する青年社員の誓い

・「生涯忘れない」足袋抜たちとの日々

・遠野の未来を照らす「満月祭」

第六章 連携と共感と支援の輪


・ベジュール野菜を見つけたバイヤーの驚き

・「三流の都会より一流の田舎」で勝負

・奥能登の浮上に一役買いたい

・耕作放棄地で飛んでる野菜を作るロマンがいい

・不思議と欲がない能登の人々

・「いい目をして、いい顔色をして生きている」

・種苗会社も共感の輪の中へ

・能登半島の先っぽでイタリア野菜を栽培する

・最高峰に挑む何も知らない奇妙な奴ら

・何百通りも品種改良する種苗業界

・海外青年協力隊を経て新たに挑む夢

・食文化研究家が感銘を受けた男気

・「らぱんの野菜スープは命の素」

・備蓄食開発に現われた青年実業家

・温めずに食べられるアレルギーフリーのカレー

・「日本の人口の一割の備蓄食をカバーする」

・備蓄食を貧しい国々にも届けたい

・「あの野菜スープは世の中に浸透する可能性がある」



あとがき
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