タイトル 吉本隆明 全質疑応答Ⅲ
サブタイトル 1980-1986
刊行日 2022年3月30日
著者 吉本隆明
定価 2200円+税
ISBN 978-4-8460-2028-6
Cコード 0090
ページ数 432
判型 四六
製本 並製
内容
一九八三年ころ、わたしが『試行』に投稿(「横光利一小論」)したあとに吉本宅を訪れたときに、その投稿を読んだ吉本さんの答えは、「横光の『旅愁』を読んでないでしょう。横光のその小説は横光の戦争を描いたもので、これがわからなければ横光はわからない。これを読んで決定的な横光論を書いてください」というものだった。このとき、なににわたしは狼狽したのだろうか。そのときはまったくわからなかった。これを理解するには時間が必要だった。わたしは吉本が秘めている「死」に接したのだと、今になって思う。(「きれぎれ〔『全質疑応答Ⅲ 1980~1986』に寄せて〕」より)
著者紹介
吉本隆明(よしもと・たかあき)
1924-2012年。東京・月島に生まれる。東京工業大学卒業。詩人・思想家。日本の敗戦を富山県の動員先で迎えた。戦後の混迷のなか、じぶんは世界認識の方法を知らなかったと痛切に自覚し、1955年「高村光太郎ノート」によって戦争責任問題に最初のメスを入れ、「マチウ書詩論」によって思想の基礎を形成。爾来、つねに世界思想の水準を見据え、時代と対峙しながら、思索を展開してきた。詩集『固有時との対話』『転移のための十篇』、『言語にとって美とは何か』『共同幻想論』『最後の親鸞』『母型論』などがあり、その全著作は『吉本隆明全集』(全38巻・別巻1)として刊行中。またインターネット上のサイト『ほぼ日刊イトイ新聞』で、「吉本隆明アーカイブ」として183の講演が無料公開されている。
目次
過去の詩・現在の詩
親鸞の教理について
「生きること」と「死ぬこと」
戦後文学の発生
現代文学の条件
〈アジア的ということ〉そして日本
僧侶
日本資本主義のすがた
物語の現象論
文学の新しさ
ポーランド問題とは何か
個の想像力と世界への架橋
〈若い現代詩〉について
小林秀雄と古典
変容論
宮沢賢治の陰
エリアンの詩とうた
漱石をめぐって
隠者
自然論
「現在」ということ
マス・イメージをめぐって
文芸雑感
資本主義はどこまでいったか
「受け身」の精神病理について
共同幻想の時間と空間
時代はどう変わろうとしているのか
日本人の死生観I
日本人の死生観II
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