タイトル ことば より そう
刊行日 2024年12月2日
著者 小沼純一
定価 1800円+税
ISBN 978-4-8460-2482-6
Cコード C0091
ページ数 160
判型 四六
製本 並製
内容
【概要】
詩人で批評家の小沼純一は、音楽評論家、研究者として知られ、音、音楽についてのその著書も多く、ライナーノーツも多数書いている。著書のタイトルを見ても、バッハ、イザイ、プーランク、サティ、ケージ、ピアソラ、ルグラン、ジョビン、バカラック、武満徹、高橋悠治、柴田南雄、コリン・マクフィー、中森明菜、ミニマル・ミュージック、ジャズ、無伴奏、フィドルなどジャンルも多様だ。同時に、文学、映画、美術、ダンスなど、横断的に文章を書いてきた。さらにマルグリット・デュラスなどの翻訳も発表している。
そうやって書いてきたなかに、詩とも批評ともエッセイとも、そのジャンルも横断しているものがある。本書は、それらをまとめたものだ。
全体は、著者による四部構成となっており、第一部は短い詩として読めるもの。第二部はもう少し長い詩と感じられるもので、二段組にした。第三部は、批評やエッセイとも読めるもの。そして、第四部は外国語を交えたもので、横書きに組んでいる。
ただ、その区別を目次などで示すことはしなかった。また、文章を書いた対象の作品「宛先」は、各文章の最後に小さく示すだけにとどめた。そして、まえがきともあとがきともいえる文章を、最後に【これは……】として添えるのみにして、各頁には、それぞれの文章の「柱(ハシラ)」も示さないことにした。
それは、まずそれぞれの文章に直接触れて、感じてほしいという著者の気持ちの現れといえる。読者には、この文章そのものを感じてもらえばいい。だが、それとともに、宛先に辿り着いて、さらにさまざまな作品に接してもらってもいい。
本書のタイトルは、まず「言葉が(作品に)寄り添う」と読めるが、「言葉より、そう」とすれば、一つには「言葉から生まれる、何か」とも読める。もう一つは「言葉より」、そう、「言葉にならない何か」とも読める。そのように、読者に自由に読んでもらいたいというのが、タイトルに込めた著者の思いといえるかもしれない。
読者は、本書から、「言葉」そのものから、広い意味での「音楽」を感じてもらるのではないか。本書の編集者としては、そのように思っている。
著者紹介
小沼 純一(こぬま・じゅんいち)
 1959年8月13日生。音楽・文化批評家・詩人。早稲田大学文学学術院教授。第8回出光音楽賞(学術・研究部門)。横浜市芸術文化振興財団理事、横浜みなとみらいホール企画委員会委員。
 著書:『し あわせ』『アルベルティーヌ・コンプレックス』『いと、はじまりの』『SOTTO』(以上、詩集)『しっぽがない』『音楽探し 20世紀音楽ガイド』『ピアソラ』『ミニマル・ミュージック その展開と思考』『武満徹 音・ことば・イメージ』『パリのプーランク その複数の肖像』『アライヴ・イン・ジャパン 日本で音楽する外国人たち』『サウンド・エシックス これからの「音楽文化論」入門』『バカラック、ルグラン、ジョビン 愛すべき音楽家たちの贈り物』『武満徹 その音楽地図』『バッハ「ゴルトベルク変奏曲」世界・音楽・メディア』『サイゴンのシド・チャリシー』『魅せられた身体 旅する音楽家コリン・マクフィーとその時代』『発端は、中森明菜 ひとつを選びつづける生き方』『無伴奏 イザイ、バッハ、そしてフィドルの記憶へ』『音楽に自然を聴く『本を弾く 来るべき音楽のための読書ノート』『リフレクションズ』『映画に耳を 聴覚からはじめる新しい映画の話』『はたらくって何? あたらしいシゴト論』編・監修:共編『サウンド派映画の聴き方』監修『あたらしい教科書・音楽』以下、編『武満徹対談選 仕事の夢 夢の仕事』『武満徹エッセイ選 言葉の海へ『高橋悠治対談選』『柴田南雄著作集』(全3巻)責任編集『ユリイカ 総特集 エリック・サティの世界』2016年1月臨時増刊号。翻訳:マルグリット・デュラス『廊下で座っているおとこ』カトリーヌ・モンディエ=コル+ミシェル・コル『身長の神話 巨人伝説から遺伝子操作まで』『ジョン・ケージ著作選』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%B2%BC%E7%B4%94%E4%B8%80
目次
【第一部】
ひび き

むすび むすぼれ 
view
アット・コットン・クラブ
グラスハウス
POSTLUDIUM 
さいかいへ
て つなぎ
なみ 
はじめての 
おとなりのおんがくか 
いと おしみ
リワイルディング
【第二部】
地図はどこ
おる ごるとべるく 
お、だ・みえ、だ 
せんのはる
あえかなる 
ま と  
【第三部】
せん、や、いち、や 
うた きんじて 
き、いた、いつ、か~風景、海市
こうだ 
ふえのま、ま 
はな、クレオールの 
だから、すでに 
ねむ、ねむり、ねむりひめ 
湿度のなか(に)鈴木清(は)
鉄をみる 
【第四部】
式典はどの方角なのだろう
In summer day 
この名にきくのは/On entend dans ce nom
ねこのとおりみち/La voie du chat
【これは……】
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