タイトル シベリア抑留下の芸術と人間
サブタイトル 記録と記憶から想起する
刊行日 2024年3月30日
著者 森谷理紗
定価 3800円+税
ISBN 978-4-8460-2377-5
Cコード 0070
ページ数 396
判型 A5
製本 上製
シリーズ名 桜美林大学叢書
シリーズ番号 019
内容
本書は「日本人のシベリア抑留」という歴史的事象を音楽・芸術の地平から見渡し、
生と死のはざまに際した人間の芸術との関係性やありよう、
また人間の創造性という根源的テーマに眼差しを向けた書である。

ではなぜ今「シベリア抑留」と「芸術」なのか。
シベリア抑留を音楽、絵画などの文化芸術を基点に紐解く時、
生と死の境界にあっても芸術に癒され、
あるいは文化的行為をすることで生き延びたという証言は数多い。
つまり創造的欲求という人間の営為の根源が生死に深くに関わってくるのだ。

言い換えれば「日本人のシベリア抑留」という歴史的事象を音楽・芸術の視点から見つめ直した書。
当時、シベリアで90近くあった日本人楽劇団とその活動を丹念に追った著者渾身の研究を書籍化。
貴重な写真や資料を多数掲載した専門家待望の桜美林大学叢書、第19弾!
著者紹介
【著者紹介】森谷理紗(もりや・りさ)
桜美林大学芸術文化学群非常勤講師。芸術学(音楽学)博士。
東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了(音楽学)。
モスクワ音楽院大学院博士課程修了、同音楽院作曲科修了。2010年度日露青年交流事業若手研究者等フェローシップ《日本人研究者派遣》。
第二回村山常雄記念シベリア抑留研究奨励賞受賞(2018)。
著書に “Vzaimoproniknovenie dvukh muzykal’nykh kul’tur c XX. - nachale XXI vv.: Iaponiia-Rossiia” 2017 Saratovskaia gosudarstvennaia konservatoriia im. L. V.Sobinova, Rossiia(『20世紀から21世紀初頭にかけての二つの音楽文化の相互作用―日本・ロシア』2017サラトフ音楽院)。
目次
序論◉沈黙の時代から想起の時代へ
[第I部]満州・シベリア・日本を繋ぐ音の記憶と文化表象
第1章◉シベリア抑留前史
第2章◉シベリア抑留下の日本人の文化創造活動
第3章◉シベリア抑留における民衆の音楽
第4章◉創作物に眠る記憶―二種類の『ソヴェート歌曲集(附)日本闘争歌集』
第5章◉楽器バソンをめぐる一二〇年の記憶

[第Ⅱ部]シベリア抑留を想起する
第6章◉野町右京『北方物語』に見るナラティヴ
第7章◉史料と想起―「新声楽劇団」をめぐる日露の三つの史料研究
第8章◉四國五郎の死生観―創作に見るシベリア抑留の想起と表現
第9章◉さまざまな「シベリアの想起」の言説
第10章◉記憶の継承へ―アートの社会実装の試み
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