タイトル 大熊信行と凍土社の地域文化運動
サブタイトル 歌誌『まるめら』の在地的展開を巡って
刊行日 2022年4月10日
著者 仙石和道 著/瀬畑源 編集代表/今井勇、小野寺茂、長谷川亮一、村松玄太 編集
定価 3000円+税
ISBN 978-4-8460-2153-5
Cコード 0095
ページ数 288
判型 四六
製本 上製
内容
短歌革新運動と新潟県柏崎の人びと
『まるめら』『越後タイムス』「大日本言論報国会」の〈論調と人脈〉を踏まえ、戦前・戦中・戦後に論壇・歌壇で活躍した従来の大熊像を覆し、新たな〈大熊信行像〉を創出する!

仙石君は、大熊その人の人間性に注目し、その活動の特質を追究すべく検討してきましたが、「オリジナルな方法と領域」を確定するまでに時間を要しました。月並みな、主著を中心とした思想史的方法で十分博士号は取れるにもかかわらず、それを良しとせず、大熊が実際にかかわった運動自身に踏み込み、文化運動としてかかわった在地の民衆との交流関係までフォローして、その影響を本格的に実証しようとしてきたことによります。(「序にかえて」〔池田元〕より)
著者紹介
仙石和道(せんごく・かずみち)
1974年北海道生まれ。筑波大学大学院図書館情報メディア研究科博士後期課程単位取得退学。主な業績として、「大熊信行研究ノート―戦後の論文を中心として」『図書館情報学研究』(第3号、2005年)、「高岡高等商業学校時代の大熊信行―歌誌『まるめら』における在地的展開を中心として」『千葉史学』(第62号、2013年)など。2019年死去。

編集代表
瀬畑源(せばた・はじめ)
龍谷大学法学部准教授。1976年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了、一橋大学博士(社会学)。主要業績:『公文書問題―日本の「闇」の核心』集英社新書、2018年。共編著『平成の天皇制とは何か―制度と個人のはざまで』岩波書店、2017年。


編集
今井勇(いまい・たけし)
神奈川大学法学部非常勤講師。主要業績:『戦後日本の反戦・平和と「戦没者」―遺族運動の展開と三好十郎の警鐘』御茶の水書房、2017年。

小野寺茂(おのでら・しげる)
ライター/ジャーナリスト。月刊経済雑誌『ZAITEN』嘱託記者。主要業績:『定食酒場食堂の奇跡』牧野出版、2018年。

長谷川亮一(はせがわ・りょういち)
東邦大学薬学部非常勤講師。主要業績:『「皇国史観」という問題――十五年戦争期における文部省の修史事業と思想統制政策』白澤社、2008年。

村松玄太(むらまつ・げんた)
明治大学史資料センター職員。主要業績:『明治大学140年小史』DTP出版、2021年(共著)。
目次
序にかえて——仙石和道君の大熊信行研究について 池田元

序章 研究の課題と方法

第一章 高岡高等商業学校時代の大熊信行——歌誌『まるめら』における在地的展開を中心として
一 問題の所在
二 大熊信行と高岡——解体と再編
三 『高岡新聞』と『富山新報』
四 凍土社との接点
五 柏崎講演会
六 おわりに

第二章 『越後タイムス』における地域文化運動——土田秀雄を中心として
一 問題の所在
二 『越後タイムス』と第一期・凍土社との関係
三 柏崎商業学校時代—土田秀雄の着任と凍土社の背景
四 凍土社結成と『まるめら』
五 柏崎商業学校から直江津農商学校へ——思想的転換
六 おわりに

第三章 土田秀雄の地域文化運動——短歌運動を支えた人々を巡って
一 問題の所在
二 柏崎商業学校教諭までの経緯
三 柏崎商業学校での地域文化運動—トルストイ座談会
四 詩郷会と雄心会
五 柏崎から大連へ
六 おわりに

第四章 歌誌『まるめら』における在地的展開——凍土社と柏崎ペンクラブを巡って
一 問題の所在
二 第一期凍土社から第二期凍土社へ
三 大熊と凍土社
四 凍土社の休止と柏崎ペンクラブの成立
五 K・P・C(柏崎ペンクラブ)における『まるめら』の受容
六 おわりに

第五章 大日本言論報国会時代の大熊信行—︱雑誌『公論』を巡って
一 問題の所在
二 大日本言論報国会以前
三 大熊信行と西谷弥兵衛
四 大熊信行の「告白」と池島重信
五 おわりに

第六章 戦後の柏崎図書館運動—︱歌誌『まるめら』の終焉から戦後の復興を巡って
一 問題の所在
二 大熊信行と歌誌『まるめら』の衰退
三 『越後タイムス』の廃刊
四 戦後の出発——神林榮一と寄贈本
五 土田秀雄と柏崎専門学校——柏崎短期大学・新潟短期大学の成立過程
六 新潟短期大学と「読書三到」——昭和三〇年代—四〇年代
七 「神林榮一文庫」と「土田秀雄文庫」の成立——昭和五〇年代
八 おわりに

終 章

「あとがきにかえて」
大熊信行との出会い
情熱をもった人々——『大熊信行全集』出版への願い

大熊信行略歴
大熊信行主要著作 

編集代表あとがき 瀬畑源 
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