タイトル 森下雨村探偵小説選Ⅱ
刊行日 2017年12月27日
著者 森下雨村 著/湯浅篤志 編
定価 4,000円+税
ISBN 978-4-8460-1670-8
Cコード C0093
判型 A5
製本 上製
シリーズ名 論創ミステリ叢書
シリーズ番号 110
内容
江戸川乱歩を見出した“日本探偵小説文壇の巨人”森下雨村の代表作「三十九号室の女」、70年ぶりの復刻!

誰もが気軽に読める探偵小説の在り方として「軽い文学(ライト・リテラチウア)」を提唱し、超人的名探偵の登場や難解なトリックの使用を極力控えながら、事件の謎を解くため奮戦する人々の姿を描き続き続けた森下雨村の探偵小説選第2弾! 単行本初収録作品を中心に、大正12年から昭和11年にかけて発表した創作探偵小説を厳選集成。巻末には「森下雨村小説リスト」(湯浅篤志・編)を付す。

著者紹介
[著者]森下雨村(もりした・うそん)
1890(明23)年、高知県生まれ。本名・岩太郎(いわたろう)。早稲田大学英文科卒。1913(大2)年、やまと新聞社へ入社し社会部記者となる。18年に博文館編集部へ移り『冒険世界』の編集を担当、その後、20年に『新青年』が創刊されると同誌の編集主幹となる。編集者として江戸川乱歩や横溝正史など若い作家を世に送り出す一方、翻訳者としても活躍し、ウィルキー・コリンズの「月長石」などの海外探偵小説を翻訳紹介した。同時期には別名義で数多くの少年探偵小説を執筆し、特に佐川春風名義で発表された「謎の暗号」(1934)は人気を博した。31(昭6)年秋に博文館を退社して、32年春からは作家専業となる。この時期の代表作に「青斑猫」(32)、「呪の仮面」(32~33)、「三十九号室の女(33)、「丹那殺人事件」(35)などがある。当時の探偵小説界を憂い、35年には「一般大衆に喜ばれる軽い文学としての探偵小説」を目指す〈軽い文学(ライト・リテラチウア)〉を提唱した。41年頃に高知県佐川町へ戻り、戦後は故郷で過ごした。1965(昭40)年5月、脳出血の後遺症のため死去。没後、釣り随筆『猿候川に死す』(69)が刊行された。

[編者]湯浅篤志(ゆあさ・あつし)
1958年群馬県生まれ。成城大学大学院文学研究科博士前期課程修了。大正、昭和初期の文学研究を中心に活動している。日本近代文学会、日本文学協会、『新青年』研究会会員。著書に『夢見る趣味の大正時代――作家たちの散文風景』(論創社、2010)、編著に『森下雨村探偵小説選』(論創ミステリ叢書33、論創社、2008)、共編著に『聞書抄』(叢書新青年、博文館新社、1993)などがある。
目次
【創作篇】
三十九号室の女

四ツの指環
博士の消失
耳隠しの女
幽霊盗賊
深夜の冒険
三ツの証拠
喜卦谷君に訊け
黒衣の女
四本指の男
珍 客

【評論・随筆篇】
シャグラン・ブリッヂのあそび方
探偵新作家現はる
探偵犯罪考
探偵小説の見方
悪戯者

【編者解題】湯浅篤志

森下雨村小説リスト(湯浅篤志・編)
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