タイトル 森下雨村探偵小説選Ⅲ
刊行日 2018年2月6日
著者 森下雨村 著/湯浅篤志 編
定価 4000円+税
ISBN 978-4-8460-1671-5
Cコード C0093
判型 A5
製本 上製
シリーズ名 論創ミステリ叢書
シリーズ番号 111
内容
『新青年』の名物企画【連続短編】全7作を完全収録! 自身が提唱する「ライト・リテラチウア(軽い文学)」を実践した戦前・戦後の短編をまとめた森下雨村の探偵小説選第3弾。雨村の遠縁にあたるSF作家・森下一仁氏の書下ろしエッセイ「郷里の森下雨村」も収録。
著者紹介
[著者]森下雨村(もりした・うそん)
1890(明23)年、高知県生まれ。本名・岩太郎(いわたろう)。早稲田大学英文科卒。1913(大2)年、やまと新聞社へ入社し社会部記者となる。18年に博文館編集部へ移り『冒険世界』の編集を担当、その後、20年に『新青年』が創刊されると同誌の編集主幹となる。編集者として江戸川乱歩や横溝正史など若い作家を世に送り出す一方、翻訳者としても活躍し、ウィルキー・コリンズの「月長石」などの海外探偵小説を翻訳紹介した。同時期には別名義で数多くの少年探偵小説を執筆し、特に佐川春風名義で発表された「謎の暗号」(1934)は人気を博した。31(昭6)年秋に博文館を退社して、32年春からは作家専業となる。この時期の代表作に「青斑猫」(32)、「呪の仮面」(32~33)、「三十九号室の女(33)、「丹那殺人事件」(35)などがある。当時の探偵小説界を憂い、35年には「一般大衆に喜ばれる軽い文学としての探偵小説」を目指す〈軽い文学(ライト・リテラチウア)〉を提唱した。41年頃に高知県佐川町へ戻り、戦後は故郷で過ごした。1965(昭40)年5月、脳出血の後遺症のため死去。没後、釣り随筆『猿候川に死す』(69)が刊行された。

[編者]湯浅篤志(ゆあさ・あつし)
1958年、群馬県生まれ。成城大学大学院文学研究科博士前期課程修了。大正、昭和初期の文学研究を中心に活動している。日本近代文学会、日本文学協会、『新青年』研究会会員。著書に『夢見る趣味の大正時代――作家たちの散文風景』(論創社、2010)、編著に『森下雨村探偵小説選』(論創ミステリ叢書33、論創社、2008)、共編著に『聞書抄』(叢書新青年、博文館新社、1993)などがある。

[巻末エッセイ]森下一仁(もりした・かつひと)
1951年、高知県佐川町生まれ。作家、評論家。東京大学文学部心理学科卒。放送局勤務を経て、1979年に短編「プアプア」で作家デビュー。主な著書に『コスモス・ホテル』(ハヤカワ文庫、1980年)や「森と岩の神話」シリーズ(ソノラマ文庫、1987年〜91年)など多数。日本推理作家協会会員。
編集者コメント
 『新青年』初代編集長・森下雨村の探偵小説選第3弾では、中編「桃色の胸衣」を巻頭に置き、『新青年』の名物企画【連続短編】のために書かれた全7作の短編を完全収録、さらに「ライト・リテラチウア(軽い文学)」を実践した戦前・戦後の短編を集成しています。
 SF作家の森下一仁氏からは書下ろしエッセイ「郷里の森下雨村」をご寄稿いただきました。郷里に戻った雨村の姿を綴った貴重な資料でもあります。
目次
【創作篇】
桃色の胸衣

魔の狂笛
死美人事件
室井君の腕時計
襟巻騒動
父よ、憂ふる勿なかれ
四つの眼
隼太花瓶
噛み付くペツト
救われた男
上海の掏摸
不思議な肖像画
天誅
運命の茶房
深夜の冒険
友情の凱歌
胸像の秘密

【評論・随筆篇】
追想断片
三つのスリル
悔ひなし、寂しからず
砂金のこぼれ出た頃
老編集者の思い出
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郷里の森下雨村(作家・森下一仁)

【編者解題】 湯浅篤志
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