タイトル 沈没してゆくアメリカ号を彼岸から見て
サブタイトル ハーバード大学パストリッチ博士の日韓漂流記
刊行日 2025年02月26日
著者 エマニュエル・パストリッチ
定価 2200円+税
ISBN 978-4-8460-2494-9
Cコード C0023
ページ数 256
判型 四六
製本 並製
内容
日本の江戸文学、文化の研究を通して日本、韓国の文人精神を、そして自然と共生する日本人の知恵を高く評価する。日本は東アジアの平和を創造し、アジアと世界の平和のための新しいグローバル・システムを構築するために指導的な役割を果たせると断じる。
著者紹介
エマニュエル・パストリッチ 略歴
 アメリカ中西部のセントルイス出身。高校からカリフォルニアに移り、1983年サンフランシスコのローウェル高校を卒業、イェール大学に入学(1983年)後、中国文学を専攻。1985年には、交換留学生として1年間、国立台湾大学に留学。イェール大学卒業後、東京大学に留学し、1992年に大学院総合文化研究科比較文学 比較文化専攻修士課程修了。修士論文は「江戸後期の文人・田能村竹田と「無用」の詩画」。1992年、アメリカへ帰国し、ハーバード大学東アジア言語文明学科に編入、日韓中小説研究の論文を起草。1998年よりイリノイ大学で東アジア言語文学科の助教授、教授として勤務。ジョージワシントン大学、韓国の慶熙大学に勤務。韓国滞在中に書いた『韓国人だけが知らない韓国』がベストセラーとなり、朴槿恵大統領の愛読書として知られる。英語、日本語、中国語で数多くの本を出版。2020年2月にも米大統領選の無所属立候補を宣言したが、資金難で選挙運動は中断。2023年2月に活動の拠点を東京に移し、アメリカ政治体制の変革や日米同盟の改革を訴えている。2023年にはアメリカ緑の党から米大統領選立候補し、キャンペーンを展開。アジアインスティチュート理事長。著書に『武器よさらば: 地球温暖化の危機と憲法九条』(東方出版 2019)『コロナ祟りに惑う日本』(デザインエッグ社 2023)『私は悪を恐れない』(同 2020)など。日本近世文学に関する論文も多い。
目次
まえがき

第一章 テレビの中の日本

1 マッハGoGoGo ジャイアントロボ ゴジラが体現していたもの ワシントン大学の文化祭 ミカドでみた天ぷら

2 サンフランシスコへの引っ越し 寿司との出会い アジア系が多かったローウェル高校 日本を教えてくれたエミリー 強制収容の歴史に驚く アジア系アメリカ人への攻撃 日本への過剰な反応 アメリカに依存する日本

3 英国の影響を感じたイェール大学 フランス語を諦める 漢字を日夜独学 自分が進むべき道 アジアモデル 中国本土では味わえない自由 台湾で知った日本文化 大阪での経験 伝統のアジア言語プログラム

第二章 東京大学と滞日の日々

1 横浜について調べる 「壁」を破った事件 大きな危機 教科書で覚えた「申し訳ない」 ウィスキーでお詫び アメリカと違う解決法 

2 菊名の奥住家 ライシャワーとの出会い 韓国語を学んだライシャワー 日本語のできる唯一の人物 東大留学決まる ラフカディオ・ハーンとの出会い 文人として死後に評価を得た秋成 千川に住み東大に通学 自分に課した日本語を学ぶルール 辞書を読む 一日二五ページ読んだ日本語の本 夢も日本語で

3 近世江戸文化の生き字引、延広真治 明代の中国文学について目を開かせてくれた大木康 中国とアメリカの共通点を教えてくれた岡本さえ 修士論文のテーマに選んだ田能村竹田 ロバート・キャンベルと私

4 思い出の喫茶店「ザンジバル」 原宿駅近くのカフェ「アンセーニュダングル」 友達になりにくい東大の大学院生 なじめなかった上下関係 日本語を話せないアメリカ人 中国美術のコレクター 日米のかけ橋を夢見て

第三章 ハーバード大学からイリノイ大学へ

1 英語の授業に戸惑う 万葉集の専門家、クランストン教授 印象深いスティーブン・オーウェン教授 比較文学の方法 私の研究テーマ 日本知識人の中国受容

2 思いがけない村上春樹との出会い 観察と執筆の関係 小説は彼らの子ども 作家に与えられた使命 春樹の小説の再評価

3 効率性を追い求める大学 ハーバードからイリノイへ イリノイ州の特色 日本文化クラスは満員 文学研究から遠ざかる 保守的な政治家からの反発 日本へのゆがんだ意識 日本専門家の閉鎖的な姿勢

4 思いがけない脳腫瘍 自分の仕事は何か 東アジア研究が縮小される 深まるアメリカへの失望 ナイ教授との出会い

5 私の模範、エズラ・ヴォーゲル 実際に起こったこと 職探し 日本領事館で講演 イリノイ大学テニュア(終身在職権)に暗雲 CIA傘下のFBISへの就職を試みる 面接の日 嘘発見器テストを受ける アナリストとして採用された? ワシントンへの引っ越し 家族の韓国行きを考える FBISの採用取り消し通知 CIAの存在意義とは

第四章 韓国での新しい人生

1 韓国の洪錫炫大使 洪錫炫大使との出会い 盧武鉉を敵視するブッシュ政権 広報の手助け 私を助けてくれた韓国人たち 失脚した洪大使  韓国大使館での仕事 盧武鉉大統領を取り上げた記事の波紋 冷戦モデルは的外れ

2 再び教壇へ アメリカ外交の柱、ブレジンスキー 韓国の小説家に関するプレゼンテーション 韓国の保守派 韓国の大学で教える 大田での四年 書くことに活路を見出す 大田からソウルへ

3 風変わりな作家との出会い 又松大学から慶熙大学へ 朝鮮日報のコラムニストに ベストセラーとなった『韓国人だけが知らない大韓民国』 水原キャンパスに移る 朴槿恵大統領の関心を引いた記事 大統領の愛読書になった 大学という「営利企業」 

第五章 日本と韓国、アメリカのはざまで

1 福島原発事故 日韓関係に対する私の夢 韓国も日本も大切な国 私の家族の歴史 私には日韓関係に夢がある いつか日本と韓国が一つの村になる日

2 南北関係に願うこと 韓国の基準で見てはならない 韓国の夜はもっと暗くなるべきだ 慶熙大学を去るCOVID −19で崩れた計画 韓国人について考える 日本人と韓国人 韓国の政治 ろうそくデモと朴ソウル市長 私にとっては世界で最も自由な国、日本

3 東アジア平和構築はこの国から 日本の役割 日本を偉大な国にするために 何をすべきか? アメリカ大統領は原爆投下に謝罪すべきだ アメリカ人としてお詫びした真意 日米合同委員会を「平和委員会」にすべきだ アメリカ憲法を平和憲法に改正を 合衆国憲法修正第二十九条(エマニュエル・パストリッチ案) アメリカ大統領選に立候補 ソウル外国人特派員協会で出馬宣言

あとがき

あとがきの後で

日米韓で生活し、学んだアメリカ人の魂の履歴  五味洋治


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