タイトル 狂える世界と不確実な未来
サブタイトル 新型コロナウイルスの謎・米中新冷戦の勃発・二〇二〇年米大統領選の真相
刊行日 2022年1月21日
著者 斎藤直樹
定価 2000円+税
ISBN 978-4-8460-2101-6
Cコード 0031
ページ数 264
判型 四六
製本 並製
内容
感染症と「冷戦」と「盗まれた選挙」
新型コロナウイルスの感染拡大を発端に、台湾をめぐる攻防を軸として、米中の関係が著しく悪化し始めたが、混迷する中国とアメリカの国内状況に変化の兆しは見られない。「米中冷戦」の行方を日本の視座から分析する。
この一年で新型コロナウイルスによるパンデミック、米中新冷戦の勃発を思わせる米中対立、米大統領選での大規模不正事件など、世界に深刻な衝撃を与える事件が続発している感がある。まさに世界は狂える様相を呈していると言っても過言でない。これに、わが国はどのように向き合うべきか真剣に考える必要があるのではなかろうか。(本書「はじめに」より)



著者紹介
斎藤直樹(さいとう・なおき)
1997年慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1979年慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了。1987年マイアミ大学国際問題大学院博士課程(the Graduate School of International Studies, the University of Miami)修了。国際学博士号(Ph. D. in International Studies)取得。現在:山梨県立大学名誉教授、山梨県立大学非常勤講師、神田外国語大学兼任講師、日本国際フォーラム上席研究員など。
主要業績:“Star Wars” Debate: Strategic Defense Initiatives and Anti-satellite Weapons, (Ph. D. Dissertation, the University of Miami, 1987)、『戦略防衛構想』(慶應通信、1992)、『戦略兵器削減交渉』(慶應通信、1994)、『国際機構論』(北樹出版、1998)、『(新版)国際機構論』(北樹出版、2001)、『現代国際政治史(上・下)』(北樹出版、2002)、『紛争予防論』(芦書房、2002)、『イラク戦争と世界』(現代図書、2004)、『検証:イラク戦争』(三一書房、2005)、『北朝鮮危機の歴史的構造1945‐2000』(論創社、2013)、『北朝鮮「終りの始まり」2001‐2015』(論創社、2016)、『米朝開戦:金正恩・破局への道』(論創社、2018)、『まやかしの非核化と日本の安全保障』(論創社、2019)、『狂える世界と不確実な未来』(論創社、2021)、他多数。
ホームページURL: saitonaoki.jp
目次
はじめに
序 論——本書の内容
第一章 習近平の大罪-新型コロナウイルスの謎
1 新型コロナウイルスの感染発覚
「感染者0号」(二〇一九年一二月一日)  李文亮、「華南水産卸売市場の七人がSARSと確認された」(一二月三〇日)  中国国家衛生健康委員会専門家グループ、武漢市訪問(一二月三一日)  習近平、政治局常務委員会議(二〇二〇年一月七日)  「ヒト-ヒト感染」の可能性(一月一〇日)  馬暁偉、「最も深刻な危機」(一月一四日)
2 動揺する習近平
鐘南山、「ヒト-ヒト感染の現象が起きていると言える」(二〇二〇年一月二〇日)  習近平、「重要指示」(一月二〇日)  習近平、「パンデミックの警告を延期するよう頼んだ」(一月二一日)  CIA報告、「中国はWHOのコロナウイルス調査への協力をやめると脅した」
3 「春節」と海外渡航許可
WHO、緊急委員会(二〇二〇年一月二二日〜二三日)  武漢市、封鎖(一月二三日)  「春節」(一月二四日〜二月二日)  金正恩、中朝国境閉鎖(一月二二日)
4 後手、後手に回るWHO
習近平-テドロス会談(二〇二〇年一月二八日)  テドロス、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言(一月三〇日)  トランプ、「公衆衛生緊急事態」宣言-中国への渡航制限発表(一月三一日)  中国疾病予防管理センター、「二〇一九年新型コロナウイルスの感染状況とリスク評価」(一月二七日)
5 ウイルス発生源についての研究論文
肖波涛、「新型コロナウイルスの可能な発生源」(二〇二〇年二月六日)  習近平、「新バイオセキュリティー法」の促進(二月一四日)
6 発生源を巡る米中対立
WHO、「COVID-19」と命名(二〇二〇年二月一一日)  鐘南山、「ウイルス発生源が中国とはかぎらない」(二月二七日)  ポンペオ、「武漢ウイルス」(三月五日)
7 テドロス、「パンデミック」宣言
テドロス、「パンデミックとみなせる」(二〇二〇年三月一一日)  趙立堅、「この感染症は米軍が武漢に持ち込んだかもしれない」(三月一二日)  トランプ、「国家非常事態」宣言(三月一三日)  習近平、「病原がどこから来て、どこに向かったのか明らかにしなければいけない」(三月一六日)
8 トランプ対テドロス
トランプ、「中国ウイルス」(二〇二〇年三月一七日)  鍾南山、「発生源が武漢であるという証拠はない」(三月一八日)  トランプ、「発生源で食い止めることができたはずだ」(三月一九日)  トランプ、WHOへ拠出金の停止を再検討(四月七日)
9 疑惑視される中国科学院武漢ウイルス研究所
『ワシントン・ポスト紙』、中国科学院武漢ウイルス研究所の可能性(二〇二〇年四月一四日)  『フォックス・ニュース』(四月一五日)  トランプ、「われわれはこの恐ろしい状況を徹底的に調査している」(四月一七日)  趙立堅、「ウイルスが実験室で生成されたことを示す証拠はない」(四月一七日)
10 モリソンの現地調査要求と中国の猛反発
モリソン、現地調査要求(二〇二〇年四月二三日)  中国外務省、「イデオロギー的偏見と政治操作を止めなさい」(四月二三日)
11 米情報機関の躊躇
米国家情報長官室、「ウイルスの発生に関する情報を引き続き厳格な精査を続ける」(二〇二〇年四月三〇日)  トランプ、「そうだ、見た」(四月三〇日)
12 トランプの嘆き
トランプ、「わが国が経験したことのない最悪の攻撃をわれわれは経験している。」(二〇二〇年五月六日)  トランプ、中国との断交示唆(五月一四日)  エンバレク、「市場が感染拡大に関連していることは明らかである。」(五月八日)
13 居直る習近平
習近平、WHO年次総会演説(二〇二〇年五月一八日)
14 習近平の強弁と猛反駁するトランプ
WHOチームによる現地調査(七月中旬)  習近平、第七五回国連総会一般討論演説(二〇二〇年九月二二日)  トランプ、第七五回国連総会一般討論演説(九月二二日)
15 WHOの武漢現地調査と深まる疑惑(二〇二一年一月〜二月)
共同調査(二〇二一年一月〜二月)  共同記者会見(二月九日)  エンバレク、「このウイルスは一二月に武漢で広く出回っていた」(二月一五日)
16 信用と信頼を損ねた「WHO報告書」(二〇二一年三月三〇日)
「WHO報告書」を擁護するテドロス(二〇二一年三月三〇日)  「WHO報告書」を痛烈に批判する共同声明(三月三〇日)
17 改めて疑惑視される中国科学院武漢ウイルス研究所
情報機関に発生源の特定を求めるバイデン(二〇二一年五月二六日)  テドロスの心変わり(七月一五日)  猛反駁する習近平
第二章 米中新冷戦の勃発-世界大国を目論む中国と米国の対峙
1 「一帯一路」の推進
「債務の罠」  「一帯一路」の貸付の実態  コロナ禍の衝撃と「一帯一路」  G20合意(二〇二〇年四月)   習近平指導部の対応?
2 「海洋帝国」の建設
南沙諸島の「軍事拠点化」  南シナ海での中国の海洋活動  東シナ海への中国の海洋進出  尖閣諸島領海への中国海警局船舶の侵入事件  茂木外相、中国による「サラミ戦略」(二〇二〇年六月一二日)
3 「核大国」の建設
NPTと中国  INF全廃条約  急増する中国の中距離核戦力  中国の中距離核戦力の脅威  東風-21(DF-21)と東風-26(DF-26)  トランプ政権、INF全廃条約からの離脱表明と条約失効   トランプ政権、中距離核戦力の配備構想  習近平指導部の猛反発
4 「反分離主義闘争」
背景  「逃亡犯条例」改正案の完全撤回(二〇一九年九月)  習近平の危機感  全人代、香港国家安全法採択(二〇二〇年五月二八日)  台湾への飛び火
5 トランプ政権の反転攻勢と米中新冷戦の勃発?
コロナ禍での習近平指導部の動きとトランプの反転攻勢  ポンペオ演説  コロナ禍による習近平の本性の表出  中国共産党体制の本質  李文亮の悲劇  習近平とテドロスの責任  「中国の夢」の危険性
第三章 盗まれた大統領選-二〇二〇年米大統領選の真相
1 二〇二〇年米大統領選の結末
2 盗まれた米大統領選
不正はなかったと断言する大手テレビ局  疑惑の始まり  不正を訴える内部告発者達  ジョージアの集計場での不正現場を捉えた監視カメラ映像  郵便投票による大規模不正  ビナルによるネバダでの郵便投票不正の暴露  「ドミニオン」集計機の暗躍
3 「ナバロ・レポート」の衝撃
選挙不正に関する世論調査
4 不正選挙とメディアの沈黙
不正選挙の原点-二〇一六年大統領選  選挙不正に対するFBIと司法省の無関心  不正に沈黙する大手メディア  世論調査機関の偏向  米国の民主主義の行く末への危惧  無関心を装う連邦最高裁(二〇二〇年一二月一一日)  選挙人の確定(一二月一四日)  米上下両院合同議会での異議申立て(二〇二一年一月六日)
5 トランプ支持者達の議会襲撃事件
米連邦議会議事堂襲撃事件(二〇二一年一月六日)  選挙不正の全容解明の必要
6 トランプ弾劾裁判
トランプ弾劾裁判の票決-トランプ無罪  民主党議員達の狙い-トランプの政界追放  劣勢に甘んずる共和党  トランプの復活?
結 論
新型コロナウイルスと教訓  供給網の多元化と生産拠点の移転  海上交通路の安全確保  尖閣の防衛
追 記
1 習近平の「海洋帝国」の建設と海警法施行
「中国の夢」の実現に向けて  「海洋帝国」の建設への邁進-南シナ海の支配  東シナ海での海洋進出  海警法制定の脅威  習近平の目論見とトランプの対抗策
2 尖閣諸島実効支配の危機
強大化する中国海警局と海警法  尖閣領有への中国の主張の虚構  狙われる尖閣  尖閣防衛に向けて
3 米国の尖閣と台湾防衛の本気度
バイデン政権の対中強硬姿勢  日米共同声明(二〇二一年四月一六日)  日米共同声明への蔡英文政権の謝意  狙われる台湾  デイビッドソンの警鐘  尖閣諸島海域への中国の軍事圧力

あとがき

注記
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