タイトル 舞踏馬鹿
サブタイトル 土方巽の言葉とともに
刊行日 2022年3月5日
著者 正 朔(せいさく)
定価 2200円+税
ISBN 978-4-8460-2138-2
Cコード 0073
ページ数 256
判型 四六
製本 上製
内容
 1956年福島・郡山生まれの正朔は、1984年から2年間、舞踏の創始者土方巽(ひじかたたつみ)の最期に師事した舞踏家。国際的に活躍し、2013年、舞踊批評家協会賞を受賞している。
 舞踏と言葉は密接な関係がある。舞踏家土方巽、大野一雄、笠井叡らの言葉は独特な思考やレトリックとともに広く知られ、土方『病める舞姫』、大野『舞踏譜 御殿空を飛ぶ』、笠井『天使論』など著書も知られる。正朔は、土方晩年の言葉に密接に触れ、強く影響を受けた。そのため、『テルプシコール通信』の「舞踏馬鹿の独り言」連載などで、土方巽の言葉とともに、自らの舞踏思想、舞踏譜などを記してきた。
 また、正朔は国際的に公演やワークショップを行っているが、ワークショップの言葉も魅力的で、海外の舞踏家の信頼もあつい。
 本書は正朔の記した文章をまとめたものだ。さらに、長年舞踏に併走した批評家・國貞陽一との対談、現在、正朔と活動を共にする長岡ゆり、正朔のよき理解者である作家・田中真知の文章も掲載した。
 本書の「舞踏譜」では、土方巽を継承した正朔の舞踏メソッドがわかりやすく示され、舞踏家、舞踊家、舞踏を学ぶ人だけでなく、踊りに広く関心がある人にとっても、舞踏そのものを言葉で体験できるものとなっている。
 本書の刊行は、新たな舞踏の世界を開くきっかけであることを、40年以上舞踏に触れてきた担当編集者は確信している。
著者紹介
正朔(せいさく)
 舞踏家。1956(昭和31)年2月23日、福島県郡山に生まれる。県立安積高等学校卒後、美容師となる。1984年より土方巽に師事、『東北歌舞伎計画㈼/㈿』に出演。師の死後、団員により結成された白桃房に1996年まで在籍し、白桃房公演の主要作品に出演する。同時に研究生たちを組織し、舞踏カンパニー「グノーム」を主宰。1988年、郡司正勝氏により正朔と命名される。その後、ソロ活動を中心にコンテンポラリーダンス、演劇への客演、演出補。2004年、舞踏カンパニー「Dance Medium」(長岡ゆり主宰)に参加し、長岡ゆりとともに振付・演出を行い、全作品に出演。長岡ゆりが続けてきた定期舞踏ワークショップをともに指導し、現在に至る。2012年『帰ル』で長岡ゆりとともに、第43回舞踊批評家協会賞を受賞。国際的に公演やワークショップを展開し活動している。
目次
【目次】
 舞踏への願い
先生、いまも溺れています、ひどくゆっくりと
 はじめに
 見るということは
 稽古で叱られた思い出
 為される体、成る、空っぽの体
 わからないものを形づくる
 土方先生と初めて呑んだ日 ㈵
 出会いから
 土方先生と初めて呑んだ日 ㈼
 過剰なる贈与欲
空っぽの体
 肉体の闇、肉体の中へ
 東北歌舞伎計画㈼のころ
 帰 ル
 舞踏の潜む場所
 最後のワークショップ
 最後の言葉
舞踏とは何か
 舞踏とは何か 正朔×國貞陽一
「おいっ、火の玉、どうしたっ」
 石/関由美子に捧ぐ/人間/踊れよ/息/霧の中/形のこと/精子/あなた/えーりじゅんに/静寂/空っぽの肉体/顔/霧/無限大/私ははたして存在するのか/黒い風/雪の降る器/夢幻泡影/吸い間/夕空の皮膜/金蘭荘/舞踏とは/技術/兄貴が死にました/剥製の初夜/独り言/強度/正月/体を開くこと/帰 ル/一匹の精子のリアリズム/墜落という名の遙かなる飛翔/陽だまりの産着/闇に生息する間の、顎の関節や親しみの皮膚触覚
舞踏譜/Users/MAC/Library/Containers/com.apple.TextEdit/Data/Desktop/正朔出版情報.txt
 歩行体 舞踏を学ぶ人に
 「寸法の歩行」
 「五方」
 乖離
最後に
「正朔の舞踏論」長岡ゆり
「舞踏と言葉の波打ち際で」田中真知
コラム:自然/器/暗黒舞踏/恐怖/座頭市と宮本武蔵
年譜/おもな登場人物
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