タイトル CRITICA Vol.20
刊行日 2025年9月発売予定
著者 探偵小説研究会 著/横井司 編
定価 1500円+税
ISBN 978-4-8460-2519-9
Cコード 0095
ページ数 292
判型 A5
製本 並製
シリーズ名 CRITICA
シリーズ番号 20
内容
 ミステリ・ジャンルに限ってみても、まんがやゲーム、ヤング・アダルト作品まで含めれば、意外と裾野は広い。さらには大人向けであっても、子どもをフィーチャーした作品も多く書かれている。そこで、ジュヴナイル特集ではあっても、右にあげたジャンルやメディアに属する作品も含め、子どものために書かれたもの、子どもを描いたものなど、枠組みの幅を広げた上で、特集の総題を〈ジュヴナイル・ミステリ―子どもが読む、子どもを描く〉と、より寄稿内容に即したものへと変更した。そうして出来上がったのが、今回の記念号である。それによって、なんとなく曖昧で芒洋とした様相を示しているジュヴナイルと目されるテキストを取り巻く背景事情を反映したものとなったといえるのではないか。(「序文」より抜粋)
 
著者紹介
探偵小説研究会【著】
 1995年に創元推理評論賞の選考委員と受賞者らを中心に結成。探偵小説に関する多面的な研究、評論活動を行っている。編著に1998年から毎年刊行している『本格ミステリ・ベスト10』(東京創元社→原書房)を始め、『本格ミステリ・ベスト100 1975-1994』(東京創元社)、『本格ミステリ・クロニクル300』(原書房)、『ニアミステリのすすめ』(原書房)、『本格ミステリ・ディケイド300』(原書房)、『本格ミステリ・エターナル300』(行舟文化)、『妄想アンソロジー一式ミステリガイド』(書肆侃侃房)などがあるほか、各メンバーが書評、評論活動を行っている。2006年に、機関誌「CRITICA」を創刊した。

横井司【編】
 1962年、石川県金沢市に生まれる。大東文化大学文学部日本文学科卒業。専修大学大学院文学研究科博士後期課程修了。95年、戦前の探偵小説に関する論考で博士(文学)学位取得。共著に『本格ミステリ・ベスト100』(東京創元社、1997)、『日本ミステリー事典』(新潮社、2000)、『本格ミステリ・フラッシュバック』(東京創元社、2008)、『本格ミステリ・ディケイド300』(原書房、2012)など。日本推理作家協会、本格ミステリ作家クラブ、『新青年』研究会の各会員。
目次
序文
特集/ジュヴナイル・ミステリ―子どもが読む、子どもを描く
 名探偵の復活 ―江戸川乱歩「少年探偵団」シリーズ  琳
 『黒い魔女』覚書  浦谷一弘 
 「ジュブナイル」というジャンル ―境界線とリライトとレーベル  波多野健 
 賢い小学生の問題  市川尚吾 
 特殊本格とメタフィクションは是馬と荒馬から学んだ  笹川吉晴 
 ズッコケ三人組と偶然的で不気味なもの  秋好亮平 
 〈市場化する学校〉の探偵と青春 ―杉井光『生徒会探偵キリカ』論  荒岸来穂 
 親鳥との再会 ―あかね書房版『ABC怪事件』を再読する  千街晶之 
 記憶の路地をゆく ―ジュブナイル体験をたどる旅  廣澤吉泰 
 私のジュブナイルミステリ  諸岡卓真 
 エピソード・ゼロとしてのジュヴナイル  大森滋樹 
 魔術からの解放―ディキンスン覚え書き  法月綸太郎 
 ケストナーのふたつの少年小説―出張版・こどもの物語、おとなの冒険  千野帽子 
 オカルトはミステリの真相という夢を見るか?  ―今村昌弘『でぃすぺる』の試みと構築  浅木原忍 
 スケッチブックに描かれた魂の一時避難所 ―『マリアンヌの夢』と『ペーパーハウス/霊少女』  松本寛大 
 ハーマイオニーの夢の結婚相手は誰か?  佳多山大地 
 ジュード・ワトソン『ジェダイ・クエスト』シリーズのアナキン・スカイウォーカー  小松史生子 
 ジュブナイルの出口―『アルキメデスは手を汚さない』と『ぼくらの時代』  円堂都司昭 
 自作解題 ―子供主人公にこだわる理由  羽住典子 
 山本周五郎ジュブナイル書誌  末國善己 
 ジュブナイルミステリ研究書紹介  嵩平何
解放区
 ミステリからパレスチナ問題を考える 第二回(出張版1)  蔓葉信博 
 アレグリ《ミゼレーレ》をめぐって ―グランジェ『ミゼレーレ』とモックラー『極夜の灰』  横井司 
 原作と映像の交クロスライト叉光線出張版25 太陽、月、そして日蝕 ―『リプリー』  千街晶之 
 原作と映像の交クロスライト叉光線出張版26 透明人間はそこにいる —『シリーズ横溝正史短編集』  千街晶之 
 原作と映像の交クロスライト叉光線出張版27 十万億土を越えて ―『本心』  千街晶之 
 原作と映像の交クロスライト叉光線出張版28 狐と狼の内インナーワールド的世界 ―『小市民シリーズ』  千街晶之 
 トークイベント・『明日のミステリ』はどこへ向かうのか  千街晶之× 法月綸太郎
執筆者後記
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