タイトル イタリア・ルネサンスの世界
刊行日 2021年11月15日
著者 アリソン・ブラウン
定価 2800円+税
ISBN 978-4-8460-2070-5
Cコード C0022
ページ数 272
判型 四六
製本 上製
内容
ルネサンス精神とは、変化する世界の中で不断に〈自己〉を演出し続ける精神である──
商品と情報の爆破的増殖による最初のグローバル化時代、15-16世紀ヨーロッパ。すべてが崩壊し多様化するこの時代に、世界の結び目として「固有の地位と固有の能力を与えられなかった」(ピコ・デラ・ミランドラ)人間が、自身の居場所をデザインするため繰り広げた知的苦闘の軌跡は、新たな崩壊と多様化を生きる私たちにどんな希望を与えてくれるのか。
「近代の曙ルネサンス」というブルクハルト以来のルネサンスの価値づけと、ヴァザーリ以来のフィレンツェ中心主義に揺さぶりをかけ、ルネサンスを一つの包括的時代として指し示す。現代イギリスを代表するルネサンス史家ブラウンによるロングセラー、初の邦訳。
著者紹介
アリソン・ブラウン(Alison Brown)
ロンドン大学ロイヤル・ホロウェイ・カレッジ歴史学科名誉教授。15世紀末から16世紀初頭のフィレンツェ政治文化史を専門分野とする、現代におけるイタリア・ルネサンスに関する主導的研究者の一人。著作としてThe Return of Lucretius to Renaissance Florence, Cambridge, Harvard Univ. Press, 2010, Piero di Lorenzo de’Medici and the Crisis of Renaissance Italy, Cambridge Univ. Press, 2020などがある。

石黒盛久(いしぐろ・もりひさ)
1963年愛知県名古屋市に生まれる。筑波大学大学院博士課程歴史人類学研究科し学専攻課程修了。博士(文学)。現在、金沢大学人間社会学域歴史言語文化学系教授。専攻は西洋史学。主な著書に『マキアヴェッリとルネサンス国家-言説・祝祭・権力』(風行社、2009)などが、主な訳書にボテロ『国家理性論』(風行社、2015)、ボテロ『都市盛衰原因論』(水声社、2019)、『マキァヴェッリ全集第6巻 政治小論・書簡』(共訳、筑摩書房、2000)などがある。

喜田いくみ(きた・いくみ)
1987年金沢市に生まれる。金沢大学人間社会環境研究科博士前期課程修了。現在、同大学博士後期課程在学中。修士(文学)。専門はルネサンス・ヴェネツィア美術史。論文:「ジョヴァンニ・ベッリーニのパーラ式祭壇画における空間表現とその発展」(『エクフラシス』6、2016)など。
目次
第1部 序 論  
 1 解釈の問題/2 復活の概念/3 初期ルネサンス 八〇〇〜一三〇〇年
第2部 ルネサンスの文脈  
 4 一三〇〇年頃のイタリアのコムーネと都市国家 5 封建領主の興隆と黒死病/6 ペトラルカのパラドックス(一三〇四〜七四)/7「豪商たちの街」フィレンツェ
第3部 ルネサンスの情熱  
 8 本に対する情熱/9 新たな学校教育/10 自由への愛/11 芸術と建築に対する愛/12 自己愛とルネサンスにおける人間のイメージ
第4部 社会と新たな理念の流通
 13 商業と古典/14 ヨーロッパとその彼方/15 印刷術の発明/16 表象とルネサンスの劇場
第5部 評 価  
 17 ルネサンスの非文明化
第6部 史 料  

訳者あとがき 
文献目録/索引
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