タイトル 「地球市民」としての企業経営
サブタイトル プラネタリー・カンパニーの時代
刊行日 2020年11月2日
著者 白井均
定価 2200円+税
ISBN 978-4-8460-1998-3
Cコード 0034
ページ数 270
判型 四六
製本 上製
内容
危機に対峙するグローバル経営

 逆流するグローバリゼーション、世界経済を止めるコロナ感染、頻発する大規模自然災害など、危機は一過性ではない。《地球市民としての企業(プラネタリー・カンパニー)》がグローバル社会の未来を拓く!
著者紹介
白井 均(しらい・ひとし)
新潟県柏崎市出身。1979 年名古屋大学経済学部卒業、㈱日立製作所入社。1995 年青山学院大学大学院国際政治経済学研究科修士課程修了。1999 年㈱日立製作所電子政府プロジェクト推進総括センター部長。2003 年㈱日立製作所都市開発システムグループ事業開発部長。2009 年日立アジア社取締役副社長。2011 年㈱日立総合計画研究所(日立総研)取締役所長。2013 年日立総研代表取締役社長。2020 年㈱日立製作所シニアストラテジスト。日立総研取締役、日本カーバイド工業㈱取締役。

〈著書〉『グローバル競争に勝つ地域経営』1988 年、『日本版デジタル革命』1998 年、『電子政府 IT が政府を革新する』2000 年。以上東洋経済新報社。
目次
はじめに i

第Ⅰ部 パンデミック・リセッションが激変させる世界
 第1章 退潮するグローバリゼーション、不安定化する世界 
  1 ビートルズとグローバリゼーション 
  2 チャップリンとグローバリゼーション 
  3 「三丁目の夕日」の幸せ 
  4 グローバリゼーションの見た夢 
 第2章 パンデミック・リセッションの破壊力 
  1 パンデミックがもたらす「大転換」 
  2 三〇〇年前の経験 
  3 二〇〇年前の経験 
  4 一〇〇年前の経験 
  5 新型コロナウイルスと経済 
  6 過去のパンデミックからの示唆 
 第3章 リスクを前にたじろぐ国家 
  1 急速に悪化する経済 
  2 国益に立ち戻る国家 
  3 高まる「国家資本主義」中国のプレゼンス 
  4 国内対応に終始する米国 
  5 統合が試されるEU 

第Ⅱ部 Geo-Challengesの時代
 第4章 深化する地球規模の課題 
  1 混迷する世界への四つの視座 
  2 Geo-politics(地政学)とは何か 
  3 Geo-economics(地経学)とは何か 
  4 Geo-technology(技術地政学)とは何か 
  5 Geo-environment(環境地政学)とは何か 
 第5章 Geo-politics:常態化する「紛争と対立」、弛緩する同盟 
  1 サイモンとガーファンクルの「アメリカ」 
  2 シルクロードと中国の構想力 
  3 中国の二つの長期目標 
  4 中国の夢 
  5 先鋭化する「内向的資本主義」対「国家資本主義」 
  6 揺らぐ国際秩序 
 第6章 Geo-economics:「安定と秩序」を模索するグローバル経済 
  1 長期化する先進国の経済停滞 
  2 長期停滞の原因 
  3 長期停滞からの脱却へ向けた挑戦課題 
  4 戦略的価値が低下する資源 
 第7章 Geo-technology:広がる技術覇権をめぐる対立 
  1 一九八六年の中国 
  2 デジタル覇権を目指す中国 
  3 デジタル人民元によるドル支配への挑戦 
  4 米国で広がる中国脅威論 
  5 「構造協議化」する米中交渉 
  6 戦略的「関与政策」 
  7 「科学技術大国」中国の台頭 
 第8章 Geo-environment:切迫化する環境危機 
  1 「世代」の反乱 
  2 エネルギー安全保障を優先するトランプ政権 
  3 民主党のグリーン・ニューディール政策 
  4 深刻化する海洋プラスチックごみ問題とE-waste 
  5 サーキュラーエコノミー 
  6 持続可能な経済モデルの実行段階へ進むEU 
  7 気候変動が制約するアジアの成長 
  8 赤道直下の温暖化問題 
  9 インドネシアの首都移転 
  10 「自滅選択」の回避 

第Ⅲ部 アフター・コロナ時代の挑戦課題
 第9章 グローバル・メガトレンド 
  1 不確実性に対応するラムズフェルド論法 
  2 「未知の既知」への対峙 
  3 グローバル・メガトレンドを踏まえた課題の体系化 
  4 メガトレンド1:Climate Emergency /Global Heating 
  5 メガトレンド2:分断化する資本主義 
  6 メガトレンド3:先進国経済の長期停滞(セキュラー・スタグネーション)
  7 メガトレンド4:デジタル覇権をめぐる国家間競争 
  8 グローバル・メガトレンドを起点とした企業経営 
 第10章 ネクスト・パンデミックに備えた「大転換」 
  1 一九七〇年の国際SFシンポジウム 
  2 コロナ感染が示唆する機能不全 
  3 ネクスト・パンデミックの可能性 
  4 Geo-Challengesへの挑戦 
 第11章 米中並立時代の国際秩序 
  1 経済発展と民主主義 
  2 コロナ後も続く覇権国の地位をめぐる対立
  3 米中対立を前提とした国際秩序 
  4 民主的統治の再構築 
  5 同盟の再構築 
  6 国際機関の再構築 
  7 地球的価値の共有 
 第12章 自律・分散・レジリエンス
  1 コロナ後の「ブラックスワン」と「ブラックエレファント」 
  2 複合化するリスク 
  3 異次元の財政・金融政策 
  4 ジャパンリスク 
  5 コロナ感染後の都市 
  6 人間中心の都市への視座 
  7 複合化によるレジリエンス向上 
  8 「自律+分散」国土デザイン 
 第13章 「リスク」の起源への回帰 
  1 「正常性バイアス」による思考停止 
  2 資本生産性とリスク 
  3 コロナウイルス感染が提起した資本主義の課題 
  4 安全保障のための生産再配置 
  5 アフターコロナ時代のサプライチェーン 
 第14章 社会的共通資本の回復 
  1 「男はつらいよ」の技術革新物語 
  2 デジタル技術がもたらす革新 
  3 マルクスが夢見たデジタル社会 
  4 デジタル革新と経済格差 
  5 市場経済と社会的共通資本 
  6 アフター・コロナ時代の社会的共通資本 
  7 グローバル・コモンズとしての社会的共通資本 

第Ⅳ部 プラネタリー・カンパニーの時代
 第15章 グローバル経営の歴史 
  1 世界地図と地政学的大局観 
  2 グローバリゼーションと企業経営 
  3 「企業の社会的責任」の時代 
  4 「企業市民」から「地球市民」へ 
  5 “Act Locally, Change Globally”の時代 
 第16章 プラネタリー・カンパニーの時代 
  1 プラネタリー・カンパニーの歴史的考察 
  2 条件1:「地球市民」としての自己定義 
  3 条件2:Act Locally, Change Globally 
  4 条件3:DX for Human Liberalization 
  5 条件4:プラネット・ポジティブ 
  6 条件5:トランスナショナル・イノベーション 

 むすび マイ・ラスト・ソング 

 あとがき 
 参考文献 

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