タイトル 彫刻を生きる
刊行日 2023年6月21日
著者 関 直美
定価 2400円+税
ISBN 978-4-8460-2280-8
Cコード C0071
ページ数 144
判型 四六
製本 上製
内容
多摩美術大学・大学院で彫刻を学び、現代日本木彫フェスティバル大賞受賞、文化庁からアイルランドへ海外派遣など、彫刻家、現代美術作家として国際的に活躍する関直美。関が彫刻家として歩み出したころ、圧倒的に絵画が多い美術のなかで、彫刻は少数だったが、元気だったという。それが、1990年代から新たな表現方法が台頭し、多様化する美術シーンのなかで、彫刻はしぼんでいく、という印象を関は抱いている。そして、そんな時代を、現在の彫刻をめぐる問題にも言及しながら、自身の彫刻の歩みとともに記録にとどめてきた。
 その時代は、木彫、彫塑、石彫、金属彫刻からオブジェ、インスタレーションまで、新しい形の「彫刻」が生まれてきた、コンテンポラリーアートの時代。その現代美術の変化する荒波の中で、関は作品を次々とつくり、変容し、それとともに文章を書いてきた。今回、それらをまとめて現代に発信する。
 本書は、ひとりの現代美術家、彫刻家の眼を通して、70年代からの現代美術の流れの中で、美術と彫刻がどのように変わってきたかを、美術家自身の思索・考察によって、描き出すものだ。そこからは、「美術とは何か」、「彫刻とは何か」、「表現とは何か」という本質的な問いと、それについての思索が浮かび上がる。本書は、美術家や美術を志す者はもちろん、美術に関心がある人々すべての読者に、これまでにない体験を与える著作である。
著者紹介
関直美(せき・なおみ)
美術家、彫刻家。1974年多摩美術大学大学院彫刻修了。1973・74年行動美術協会奨励賞受賞。1994年第4回現代日本木彫フェスティバル大賞受賞。1998年文化庁海外派遣員としてアイルランド、リィトリムスカルプチャーセンター。2000年中国・上海で公開制作。2002年アイルランド「ロッフブーラ国際彫刻シンポジウム」、2006年「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」、2007年アイルランド現代美術館アーチストレジデンスプログラム。個展・グループ展多数。ダンス・深谷正子の舞台美術とコラボレーションなど舞踏家・ダンサーとのコラボレーション多数。
目次
一 プロローグ フェミニズム
二 彫刻の危機 1990年代
 1. 公募団体考
 2. 現代彫刻
三 学生時代
 1. 彫刻科ロックアウト
 2. 外野展
 3. 「Scluputure」より
四 彫刻家、建畠覚造
五 彫刻と私と
 1. アイルランド
 2. キルケニーのシンポジウム
六 評論からみる彫刻
 1. 三田晴夫
 2. 岡部あおみ
 3. 宮田徹也
七 彫刻とダンス
 1. ダンスとの出会い
 2. 3・11とダンス
八 フェロー諸島レジデンス
九 慰安婦像から考える
十 エピローグ 彫刻を学ぶあなたに
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