タイトル 新版 憲法読本
サブタイトル 主権者たる国民が正義を貫くために
刊行日 2023年12月22日
著者 蜷川 新
定価 3000円+税
ISBN 978-4-8460-2290-7
Cコード C0032
ページ数 272
判型 四六
製本 上製
内容
蜷川版「憲法読本」の今日的意義
明治憲法は天皇権力主義の三権分立を認めない憲法であるとする著者が、民主憲法を「天皇は国の〈しるし〉に過ぎない」とした天皇観に基づき「主権は人民に在り」と説く!
著者・蜷川新(にながわ・あらた)氏は、明治維新直後から日清日露戦争と二つの世界大戦を経て、日本の敗戦、連合国による占領とそこからの再独立という、まさに激動の時代に生きた人物である。連合国占領下の日本が、サンフランシスコ講和条約(と日米安全保障条約)を結んで曲がりなりにも「再独立」を遂げた頃、一九五三年一二月に世に問うた本書は、当時も今も、民衆に背を向けた御用学者が説く憲法講釈よりも、よほど読む価値があるし、説得力があるのだ。
著者紹介
1873 年 駿河国(静岡県)袖師に生まれ、東京麹町に育つ。
1901 年 東京大学法科卒業。
1912 年 法学博士の学位を受ける。
1913 年 ~23 年までの間、欧米各国外遊四回。要務をおびて樺太、旅順に出張。朝鮮滞在は6 年にわたる。
1914 年 ~17 年まで同志社大学教授。
1929 年 ~40 年まで駒沢大学教授。その他、教職、公職を歴任する。国際会議に列席すること数回。赤十字社
    聯盟の設立に尽力。タイ国、中国等にも数度出張。
1959 年 脳血栓のため逝去(86 歳)。
著  書- 憲法、国際法、外交、歴史に関するもの数十冊がある(「新版のための解説」を参照)。
目次
まえがき
Ⅰ 明治憲法の成立 
1 憲法は国の組織法 
2 江戸幕府時代から立憲政体の研究は行われていた 
3 明治政府は立憲主義を廃止した 
4 明治十四年の詔書は人民の輿論を制圧した 
5 軍人勅諭はどんな役割を果したか 
6 憲法の立案者グナイストはいかに教えたか 
Ⅱ 明治憲法の果した役割 
1 明治憲法は三権分立主義ではなかった 
2 教育勅語はどんな役割を果したか 
3 明治憲法施行後も国民代表は政府と抗争した 
4 天皇即国家説が抬頭した 
5 敗戦は明治憲法悪用の結果である 
Ⅲ 現行憲法の基本性格 
1 民主憲法はこうして制定された 
2 日本政府は無責任であった 
3 「前文」には矛盾がある 
4 主権は国民にある 
Ⅳ 民主憲法と天皇 
1 天皇は国の「しるし」に過ぎない 
2 国際法から見た天皇の位置と責任 
3 天皇の外国大公使の接受とは何か 
4 皇族の存置は憲法上から見て適法か 
5 天皇の財産とは何か 
6 天皇権力主義を呼び返す日本人の不明 
Ⅴ 戦争の放棄と自衛の問題 
1 交戦権の否認は国際法の無視である 
2 自衛問題をどう考えたらよいか 
3 再軍備と国民欺瞞と違憲 
Ⅵ 人間の権利 
1 人間の基本的権利とは何か 
2 国民・人民・国・民族・人類・人間の法理 
3 「公共の福祉に反しない限り」とは何か 
4 思想及び良心の自由をまもるために 
5 憲法は社会主義・共産主義を否認するか 
6 国民代表の選挙は何のためか 
7 公務員は国民への公僕である 
8 家はどうして廃止されたか 
9 教育をうける権利は実現しているか 
10 労働者の罷業の権利はまもられているか 
11 公務員のストライキは不法であるか 
12 現代の青年は憲法を理解しているか―「孝に関する討論会」をきいて 
Ⅶ 立法・行政・司法の問題点 
1 国会は最高の機関である 
2 二院制は不合理である 
3 内閣は国会の下位にある 
4 裁判権の独立は侵されようとしている 
5 占領法規はどうなるか 
むすび 憲法改正問題をどう取扱うべきか 
私の歩んだ道/蜷川新 
新版のための解説/佐藤雅彦 
附録 日本国憲法(全文)
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