タイトル | 甲賀三郎探偵小説選Ⅱ |
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刊行日 | 2017年2月6日 |
著者 | 甲賀三郎 |
定価 | 3,600円+税 |
ISBN | 978-4-8460-1568-8 |
Cコード | C0093 |
ページ数 | 376 |
判型 | A5 |
製本 | 上製 |
シリーズ名 | 論創ミステリ叢書 |
シリーズ番号 | 103 |
内容
粗忽者の憎めぬ夜盗〈気早の惣太〉シリーズを初集成。戦時中に発表された未刊の長編「朔風」、雑誌連載終了から73年を経ての単行本初収録。デビュー作「真珠塔の秘密」から遺稿の脚本「街にある港」まで、戦前期本格派の驍将が書き残した長短編を厳選し、多岐に渡る作風を俯瞰する! 甲賀三郎次女・深草淑子氏による特別エッセイ「父・甲賀三郎の思い出」を併禄。
著者紹介
甲賀三郎(こうが・さぶろう)
1893(明26)年、滋賀県生まれ。本名・春田能為。1918年、東京帝大工学部化学科を卒業。20年、農商務省臨時窒素研究所技手となる。23年に雑誌『新趣味』の懸賞応募作「真珠塔の秘密」でデビューを果たし、以降、「琥珀のパイプ」(24)や「ニッケルの文鎮」(26)など、理化学トリックを使った作品を数多く発表する。28年に窒素研究所技師を退任して専業作家となり、〈気早の惣太〉シリーズのようなユーモア物から『支倉事件』(27)のような犯罪実話、さらには『怪奇連判状』(37-38)のような時代小説まで、様々な分野へ創作活動の幅を広げていく。32年には新潮社の「新作探偵小説全集」へ書下ろし長編『姿なき怪盗』を発表。探偵小説のパズル性を重視する立場を打ち出し、木々高太郎や大下宇陀児と探偵小説観の論争を繰り広げ、連載エッセイ「探偵小説講話」(35)、及び「探偵小説十講」(36-37)の中でも自身の主張を展開した。33年から35年まで文藝家協会理事を、42年から44年にかけて日本文学報国会事務局総務部長を、それぞれ務める。44年10月、日本少国民文化協会事務局長に就任。1945(昭20)年、公務で訪れた九州からの帰都途中、急性肺炎のため岡山県内の病院で死去。
深草淑子(ふかくさ・よしこ)
旧姓春田。1925 年8 月13 日、甲賀三郎の次女として渋谷に生まれる。42 年、文化学院女学部卒業。2004 年に初の著書『愛国者』(東洋出版)を上梓。
1893(明26)年、滋賀県生まれ。本名・春田能為。1918年、東京帝大工学部化学科を卒業。20年、農商務省臨時窒素研究所技手となる。23年に雑誌『新趣味』の懸賞応募作「真珠塔の秘密」でデビューを果たし、以降、「琥珀のパイプ」(24)や「ニッケルの文鎮」(26)など、理化学トリックを使った作品を数多く発表する。28年に窒素研究所技師を退任して専業作家となり、〈気早の惣太〉シリーズのようなユーモア物から『支倉事件』(27)のような犯罪実話、さらには『怪奇連判状』(37-38)のような時代小説まで、様々な分野へ創作活動の幅を広げていく。32年には新潮社の「新作探偵小説全集」へ書下ろし長編『姿なき怪盗』を発表。探偵小説のパズル性を重視する立場を打ち出し、木々高太郎や大下宇陀児と探偵小説観の論争を繰り広げ、連載エッセイ「探偵小説講話」(35)、及び「探偵小説十講」(36-37)の中でも自身の主張を展開した。33年から35年まで文藝家協会理事を、42年から44年にかけて日本文学報国会事務局総務部長を、それぞれ務める。44年10月、日本少国民文化協会事務局長に就任。1945(昭20)年、公務で訪れた九州からの帰都途中、急性肺炎のため岡山県内の病院で死去。
深草淑子(ふかくさ・よしこ)
旧姓春田。1925 年8 月13 日、甲賀三郎の次女として渋谷に生まれる。42 年、文化学院女学部卒業。2004 年に初の著書『愛国者』(東洋出版)を上梓。
編集者コメント
14年ぶりの『甲賀三郎探偵小説選』続刊です。2016年12月の時点で確認できた【気早の惣太】シリーズを一挙集成し、併せて、甲賀三郎が生み出した最初の探偵キャラクタ—・橋本敏が登場する短編2作も収録します。橋本敏探偵譚の第一作「真珠塔の秘密」は、博文館の雑誌『名作』へ加筆再録された際の最終決定稿を底本にし、適宜、初刊本のルビも採用しました。光文社文庫『幻の探偵雑誌(7) 「新趣味」傑作選』へ採録された初出テキストと読み比べてみるのも一興です。
その他、単行本初収録となる作家活動中期の短編、戦中から戦後にかけて発表された作品を多数収録。遺作長篇「朔風」は雑誌連載終了から73年を経ての初単行本化です。
その他、単行本初収録となる作家活動中期の短編、戦中から戦後にかけて発表された作品を多数収録。遺作長篇「朔風」は雑誌連載終了から73年を経ての初単行本化です。
目次
【創作篇】
真珠塔の秘密
カナリアの秘密
気早の惣太の経験
惣太の喧嘩
惣太の幸運
惣太の意外
惣太の受難
惣太の求婚
惣太の疑惑
銀の煙草入
都会の一隅で
暗黒街の紳士
兇賊を恋した変装の女探偵
池畔の謎
ビルマの九官鳥
朔風
街にある港(一幕)
父・甲賀三郎の思い出(甲賀三郎・次女 深草淑子)
【解題】浜田知明
真珠塔の秘密
カナリアの秘密
気早の惣太の経験
惣太の喧嘩
惣太の幸運
惣太の意外
惣太の受難
惣太の求婚
惣太の疑惑
銀の煙草入
都会の一隅で
暗黒街の紳士
兇賊を恋した変装の女探偵
池畔の謎
ビルマの九官鳥
朔風
街にある港(一幕)
父・甲賀三郎の思い出(甲賀三郎・次女 深草淑子)
【解題】浜田知明
備考
もっと詳しく甲賀三郎について知りたい方は、甲賀三郎研究サイト「甲賀三郎の世界」をご覧下さい。
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