タイトル 老乞食僧の命を繋いで百想
サブタイトル チャンマイの鐘と月の姿
刊行日 2025年05月23日
著者 笹倉 明
定価 2200円+税
ISBN 978-4-8460-2443-7
Cコード C0095
ページ数 360
判型 四六
製本 並製
内容
一念出家から始まる直木賞作家の生き様の跡。その実、作家は如何にして苦境を乗り越えて生き継いだのか?多数派に非ざるが故の〝真実〟への希求。奥深い仏法と瞑想の真価を語る老僧の『百』の想いにその軌跡がある。
著者紹介
作家・テーラワーダ僧
1948 年兵庫県西脇市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。80 年『海を越えた者たち』(すばる文学賞入選作)で作家活動へ。88 年『漂流裁判』でサントリーミステリー大賞(第6 回)、89 年『遠い国からの殺人者』で直木賞(第101 回)を受賞する。主な作品に、『東京難民事件』『海へ帰ったボクサー たこ八郎物語』(電子書籍)『にっぽん国恋愛事件』『砂漢の岸に咲け』『女たちの海峡』『旅人岬』『推定有罪』『愛をゆく舟』『超恋愛論 女が男を変える時代へ』『雪の旅―映画「新雪国」始末記』(電子書籍)』『復権―池永正明、35 年間の沈黙の真相』『愛闇殺』『彼に言えなかった哀しみ』『出家への道―苦の果てに出逢ったタイ仏教』『ブッダの教えが味方する歯の2大病を滅ぼす法』(共著)『山下財宝が暴く大戦史』(復刻版)。近著に『詐欺師の誤算』(論創社)『ブッダのお弟子さん にっぽん哀楽遊行』(佼成出版社)、『老作家僧のチェンマイ托鉢百景』(論創社)、『ブッダの海にて三千日』(大法輪閣)、『老修行僧のにんげん界百夜』(論創社)がある。2016 年チェンマイの古寺にて出家し現在に至る。
目次
まえがき 
第一章 メーサー・ヨンという月と年始
 〇父の命日はエープリル・フール 
  ◇信念と気骨の人の背景 
  ◇アメリカが畏おそれた精神性 
 〇ソンクラーン祭というタイ正月 
  ◇いつもの数倍の布施攻め 
  ◇砂塔を築くことの意味 
  ◇仏像パレードと水掛け 
  ◇祭の狂乱が語るもの 
 〇タイ正月に没した母を想う  
  ◇おだやかな認知への路 
  ◇仏法に基づく生き方 
  ◇人は「哀れ」という真意 
  ◇幸の天秤がない人生 
 〇タイ正月の経にみるもの 
  ◇法の要目の経 
  ◇因果の法の経 
 〇わが身を観察する段階 
  ◇皮肉な代償としての風邪 
  ◇主義に基づく対処法 
 〇父親の遺言に従ったFのこと 
  ◇手術をめぐる妻との葛藤 
  ◇思いがけない後遺症の存在 
  ◇官の水は呑まないことの意味 
第二章 プルッサパー・コムという月の追憶
 〇軽井沢に旧友を訪ねて 
  ◇わが身を改めて顧みる 
  ◇Uの没落と国家なるもの 
  ◇軽井沢という格差社会の象徴 
 〇暑いタイへ舞い戻った理由 
 〇ウィサーカ・ブーチャーという満月日 
  ◇悟りへの道の経 
 〇出家記念日(八周年)に思う 
  ◇六十七歳・幼児の門出 
  ◇悔恨に苛まれた日々 
  ◇すべては煩悩の仕業と知る 
  ◇記念日らしい妙なる托鉢 
 〇作家にカンムリは要らないか 
  ◇サッカ賞作家返上は無用か 
第三章 ミトゥナー・ヨンという月の路
 〇再出国、再帰国の途へ 
 〇ブッダのお弟子さん・再び奈良へ 
  ◇無料宿屋の由来と今昔 
  ◇家主である長姉を訪ねて 
  ◇父母たちの供養ふたたび 
 〇旧友・戦場カメラマンの個展へ 
  ◇民主カンボジア訪問時の記憶 
  ◇大虐殺の有無と真相を考える 
  ◇無明の世と一匹狼の悲哀 
  ◇ブッダの教えの再認識 
 〇幼少年期・奈良時代への回帰 
  ◇仏弟子にも出来に差がある 
第四章 カラッカダー・コムという月の法
 〇猛暑の夏は何が因か? 
 〇教えの中心は八正道 
  ◎正見(サンマー・ティッティ)  
  ◎正思惟(サンマー・サンカッパ)  
  ◎正語(サンマー・ワーチャー)  
  ◎正業(サンマー・カンマンタ)  
  ◎正命(サンマー・アチーワ)  
  ◎正精進(サンマー・ワーヤマ)  
  ◎正念(サンマー・サティ)  
  ◎正定(サンマー・サマーディ)  
 〇はじめての法事依頼 
  ◇弔い方は自由であるべし 
  ◇儀式にがんじがらめの非 
  ◇死者を弔う法について 
 〇また再びの雨安居へ 
  ◇風景を変えていく道 
  ◇わが住職の母堂への供養 
 〇ワンプラと日曜と国王誕生日 
第五章 シンハー・コムという月の恵み
  〇獅子座がやって来て想う 
  〇尿は千載一遇の恵みか 
  ◇もろもろの着眼事項 
  ◇メスを入れない主義を継ぐ 
第六章 カンヤー・ヨンという月の語り
 〇三雨四晴の月へ 
 〇はじめてのお彼岸講演 
 〇演題1「仏教における幸福の条件」―午前の部― 
  ◇タイにもあるお彼岸 
  ◇人間を扱うのが仏教 
  ◇人の一生は「苦」ゆえに…… 
  ◇利他と自利のバランス 
  ◇煩悩及び不善心の種類 
  ◇悟りには段階がある 
  ◇涅槃(ニッバーナ)の意味 
  ◇因果の法則と八正道 
 〇演題2「ヴィパッサナー瞑想とその実践」―午後の部― 
  ◇悟りへの道にあるもの 
  ◇無常と苦と無我の理解 
  ◇ヴィパッサナー瞑想の意味内容 
  ◇瞑想の初歩と実践 260
  ◇ステップ2、3の歩きへ 
  ◇座り瞑想の基礎と手順 
  ◇邪魔をされた時の対処法 
  ◇瞑想の最終目標へ 
  ◇歩き瞑想の中盤から終盤へ 
  ◇座り瞑想、次の段階へ 
  ◇日常生活における効用 
  ◇利他を思う心の瞑想 
〇半世紀という人の歳月 
  ◇はるか三畳間時代の思い出 
  ◇「道」の名残から得たもの 
  ◇中村八大の名曲・日の目を願う 
第七章 トゥラー・コムという月の行方
 〇洪水という不測の天災 
 〇非正統派的老僧の捨て身の札
  ◇起死回生の一手となるか 
  ◇結果あるのみという理解 
  ◇我が仕事の命はアタマと眼 
  ◇正老無病死の彼岸まで 
  ◇少数派の自覚と行く道 
あとがき 
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