タイトル 見えない世界を見る
サブタイトル 幻想童話集
刊行日 2024年5月18日
著者 坂井眞理子
定価 2000円+税
ISBN 978-4-8460-2364-5
Cコード C0093
ページ数 320
判型 四六
製本 並製
内容
本書は、画家、坂井眞理子の童話15篇とエッセイ3篇を集めたもの。童話は1969年から1981年まで書かれたもの、エッセイはその後書かれた。
坂井眞理子は、女子美術大学出身で、60年代にニューヨークに学んだ美術家。帰国後、縁あって、児童文学者・山室静が主宰していた童話雑誌『海賊』年に十年以上執筆を続けていた。『海賊』は、日本女子大学山室研究室を中心に、山室が童話作家・立原えりかとともに1966年に創刊した児童文学の同人誌で、ここから安房直子、南史子などの優れた童話作家が生まれている。そして『海賊』同人の作品は、山室・立原編『にぎやかな首飾りI・II』(出帆新社)にまとめられた。坂井眞理子の作品も多数掲載され、装丁も坂井が担当している。
坂井の童話のテーマは、月、太陽、星、風、空、虹、そして動物たち。彼女は、自然という形がありそうで、はっきりしない不定型の世界、そこから生まれる不思議な物語を描き出す。
坂井は、ニューヨークでは、現代美術、抽象表現主義からポップアートの誕生を同時代に体験する。さらに、人類の誕生に関心を抱き、ケニア、北京原人、縄文人の世界に旅をする。エッセイはそれを綴ったものだ。
童話、エッセイいずれも、坂井は、その強い好奇心とともに、現代美術と人類の起源など、見えない物語を追求している。それは、坂井が「見えない世界」を見ようとすることだ。そしてもちろんそれは、彼女の絵画作品にも現れている。
稲垣足穂やサンテクジュペリを思わせる幻想童話、そして時にエッセイにも幻想性が織り込まれる。この坂井眞理子の自由な言葉の世界にぜひ触れてほしい。
著者紹介
山口県生まれ。県立宇部高校、1962年女子美術大学美術学科洋画科卒業。1962~1964年、ニューヨーク、ブルックリンミュージアムアートスクールに学ぶ。1961年より個展多数。日本各地、韓国、アメリカ、フランスなど国内外で活躍。2012年、池田20世紀美術館で大規模個展開催。日韓交流展など国際美術展にも参加。1979年より童話・エッセイなど執筆多数。共著『母と娘の都市巡り一街を彩る絵画と建築一』坂井真理子・坂井文共著、2000年。著書『坂井眞理子作品集』2003年、『怒る女/クロッキー集 女・男』2015年、『いのちのかたちー世界に女神土偶を訪ねて』2015年、『愛を紡ぐ男と女』2017年、『赤いいのちー坂井眞理子作品集2001ー2021』2022年、ほか。
目次
I 幻想童話
 水の中の桃の花 
 さまよえる船長
 白い筒
 桃色の蝶
 空の天井で
 一枚の皿
 魚座
 うさぎの望み
 白い風と赤い風
 テング風
 にじ色の風
 夕やけこやけで日が暮れて
 悲歌
 空気の城
 黒い花に赤いちょう
II エッセイ
 縄文人誕生の地
 ケニアの旅
 振り返ってニューヨーク
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