
タイトル | 近代出版史探索外伝Ⅱ |
---|---|
刊行日 | 2025年04月28日 |
著者 | 小田光雄 |
定価 | 5000円+税 |
ISBN | 978-4-8460-2394-2 |
Cコード | C0095 |
ページ数 | 488 |
判型 | 四六 |
製本 | 上製 |
内容
『〈郊外〉の誕生と死』からの出立
地方都市からの眼差をもって読書に専念してきた著者は、《矢牧一宏と七曜社/種村季弘『吸血鬼幻想』/近代社と日夏耽之介/つげ義春と若林書房『傑作漫画全集』》など、100余項の「本を読む」世界を展開する!
小田光雄は静岡県西部の地方都市の二十数軒ほどの農村集落に生まれ、大学での在京期間を除き、七十年近くをそこで暮らしてきました。本書は論創社のホームページの連載コラム「本を読む」100編に、未発表原稿10編と「解説」3編を加えて単行本化したものです。小田光雄の著書ではめすらしく、「本を説む」のタイトルどおり、少年期の農村の駄菓子屋兼貸本屋、町の商店街の貸本屋や書店、隣市の古本屋、そして中高生時代の学校図書室での読書体験などがふんだんに織りこまれています。
地方都市からの眼差をもって読書に専念してきた著者は、《矢牧一宏と七曜社/種村季弘『吸血鬼幻想』/近代社と日夏耽之介/つげ義春と若林書房『傑作漫画全集』》など、100余項の「本を読む」世界を展開する!
小田光雄は静岡県西部の地方都市の二十数軒ほどの農村集落に生まれ、大学での在京期間を除き、七十年近くをそこで暮らしてきました。本書は論創社のホームページの連載コラム「本を読む」100編に、未発表原稿10編と「解説」3編を加えて単行本化したものです。小田光雄の著書ではめすらしく、「本を説む」のタイトルどおり、少年期の農村の駄菓子屋兼貸本屋、町の商店街の貸本屋や書店、隣市の古本屋、そして中高生時代の学校図書室での読書体験などがふんだんに織りこまれています。
著者紹介
小田光雄(おだ・みつお)
1951年、静岡県生まれ。早稲田大学卒業。出版業に携わる。著書に『新版図書館逍遥』(論創社)、『書店の近代』(平凡社)、『〈郊外〉の誕生と死』、『郊外の果てへの旅/混住社会論』、『出版社と書店はいかにして消えていくか』などの出版状況論三部作、インタビュー集「出版人に聞く」シリーズ、『出版状況クロニクル』Ⅰ〜Ⅷ、『古本探究』Ⅰ〜Ⅲ、『古雑誌探究』、『近代出版史探索』Ⅰ~Ⅶ(いずれも論創社)。訳書『エマ・ゴールドマン自伝』(ぱる出版)、エミール・ゾラ「ルーゴン= マッカール叢書」シリーズ(論創社)などがある。『古本屋散策』(論創社)で第29 回Bunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。2024年6月8日没。
1951年、静岡県生まれ。早稲田大学卒業。出版業に携わる。著書に『新版図書館逍遥』(論創社)、『書店の近代』(平凡社)、『〈郊外〉の誕生と死』、『郊外の果てへの旅/混住社会論』、『出版社と書店はいかにして消えていくか』などの出版状況論三部作、インタビュー集「出版人に聞く」シリーズ、『出版状況クロニクル』Ⅰ〜Ⅷ、『古本探究』Ⅰ〜Ⅲ、『古雑誌探究』、『近代出版史探索』Ⅰ~Ⅶ(いずれも論創社)。訳書『エマ・ゴールドマン自伝』(ぱる出版)、エミール・ゾラ「ルーゴン= マッカール叢書」シリーズ(論創社)などがある。『古本屋散策』(論創社)で第29 回Bunkamura ドゥマゴ文学賞受賞。2024年6月8日没。
目次
本を読む
1 ホルモン焼きとゴルフ
2 時代小説と挿絵
3 知られざる貸本マンガ研究家
4 コミック、民俗学、異神論
5 澁澤龍彥、山手樹一郎、柳田民俗学
6 角田喜久雄と山中共古
7 時代小説、探偵小説、民俗学
8 中島河太郎と柳田國男
9 吉川英治『鳴門秘帖』と『世界聖典全集』
10 清水俊二、吉川英治、吉川晋
11 柴田錬三郎『江戸群盗伝』と山田風太郎『風眼抄』
12 『縄炎』を見る
13 消費社会、SM雑誌、仙田弘『総天然色の夢』
14 矢牧一宏と七曜社
15 1960年代の河野典生と『殺意という名の家畜』
16 天声出版と『血と薔薇』
17 『都市』と吉本隆明「都市はなぜ都市であるか」
18 寺山修司と新書館「フォア・レディース」
19 薔薇十字社と「ルート版の会」
20 『風から水へ』と同人誌『はやにえ』
21 再びの丸山猛と須賀敦子
22 自販機本の時代
23 明石賢生と群雄社出版
24 林宗宏、三崎書房、『えろちか』
25 追悼としての井家上隆幸『三一新書の時代』補遺
26 エパーヴ、白倉敬彦、『même/borges』
27 松田哲夫、筑摩書房「現代漫画」、『つげ義春集』
28 岡崎英生『劇画狂時代』と「シリーズ《現代まんがの挑戦》」
29 安原顕、竹内書店、『パイディア』
30 中野幹隆、『現代思想』、『エピステーメー』
31 「二十世紀の文学」としての集英社『世界文学全集』
32 森一祐、綜合社、集英社『世界の文学』
33 河出書房新社「人間の文学」「今日の海外小説」と白水社「新しい世界の文学」
34 美術出版社「美術選書」、宮川淳『鏡・空間・イマージュ』、広末保『もう一つの日本美』
35 『幻想と怪奇』創刊号と紀田順一郎『幻想と怪奇の時代』
36 『澁澤龍彥集成Ⅶ』、ルイス『マンク』、『世界幻想文学大系』
37 ハヤカワ・ミステリ『幻想と怪奇』、東京創元社『世界大ロマン全集』、江戸川乱歩編『怪奇小説傑作集』
38 新人物往来社『怪奇幻想の文学』と『オトラント城綺譚』
39 新人物往来社『近代民衆の記録』と内川千裕
40 草風館、草野権和、『季刊人間雑誌』
41 種村季弘『吸血鬼幻想』
42 紀田順一郎、平井呈一、岡松和夫『断弦』
43 恒文社『全訳小泉八雲作品集』と『夢想』
44 平井呈一『真夜中の檻』と中島河太郎
45 立風書房『現代怪奇小説集』と長田幹彦「死霊」
46 月刊ペン社「妖精文庫」と創土社「ブックス・メタモルファス」
47 『アーサー・マッケン作品集成』と『夢の丘』
48 『思潮』創刊号特集と「ミシェル・レリスの作品」
49 生田耕作とベックフォード『ヴァテック』
50 『マラルメ全集』と菅野昭正『ステファヌ・マラルメ』
51 バタイユ『大天使のように』と奢霸都館
52 コーベブックス、渡辺一考、シュウオッブ『黄金仮面の王』
53 思潮社とロジェ・カイヨワ『夢について』
54 ロジェ・カイヨワ『戦争論』と『人間と聖なるもの』
55 岡本太郎とバタイユ『蠱惑の夜』
56 クロソウスキー『ロベルトは今夜』
57 岡本太郎とマルセル・モース
58 河出書房新社「世界新文学双書」とロレンス・ダレル『黒い本』
59 『牧神』創刊号と小出版社賛助広告
60 『ノヴァーリス全集』と戦前の翻訳
61 『ロルカ全集』と五木寛之『戒厳令の夜』
62 神谷光信『評伝鷲巣繁男』
63 イザラ書房と高橋巖『ヨーロッパの闇と光』
64 近代社と日夏耿之介
65 日夏耿之介と『近代神秘説』
66 日影丈吉『市民薄暮』と「饅頭軍談」
67 ジャン・ド・ベルグ『イマージュ』
68 アナイス・ニン『近親相姦の家』と太陽社
69 あぽろん社と高橋康也『エクスタシーの系譜』
70 ルイ・アラゴン『パリの神話』と『イレーヌ』
71 バンド・デシネとマックス・エルンスト『百頭女』とシュルレアリストの画家たち
72 ダヴィッド・プリュドム『レベティコ』
73 つげ義春『夢の散歩』
74 青林堂『つげ義春作品集』
75 かわぐちかいじ『死風街』
76 ブロンズ社とほんまりう『息をつめて走りぬけよう』
77 喇嘛舎と石井隆『さみしげな女たち』
78 けいせい出版と宮谷一彦『孔雀風琴』
79 東考社と小崎泰博『幻の10年』
80 山田双葉『シュガー・バー』と山田詠美
81 『ガロ』臨時増刊号「池上遼一特集」と「地球儀」
82 北宋社と片山健『迷子の独楽』
83 矢作俊彦とダディ・グース作品集『少年レボリューション』
84 『つげ忠男作品集』と「丘の上でヴィンセント・ヴァン・ゴッホは」
85 戦後の漫画=コミック出版の変容
86 朝日ソノラマ「サンコミックス」と橋本一郎『鉄腕アトムの歌が聞こえる』
87 山根貞男と『漫画主義』
88 高橋徹、現代企画室、山根貞男『映画狩り』
89 冨士田元彦『さらば長脇差』と大井広介『ちゃんばら芸術史』
90 桜井昌一『ぼくは劇画の仕掛人だった』
91 梶井純『戦後の貸本文化』
92 辰巳ヨシヒロ『劇画暮らし』『劇画漂流』と『影』創刊
93 つげ義春と若木書房「傑作漫画全集」
94 完全復刻版『影・街』と短編誌の時代
95 東京トップ社、熊藤男、つげ義春『流刑人別帳』
96 佐藤まさあき『劇画私史三十年』
97 水木しげると東考社版『悪魔くん』
98 水木しげる『地獄の水』、暁星、門野達三
99 手塚治虫『新寶島』の復刻と清水勲『大阪漫画史』
100 『魔像』と『平田弘史劇画創世期傑作選』
101 楳図かずお「傑作漫画文庫」、松本正彦『劇画バカたち!!』、三島書房『鍵』
102 楳図かずおとトモブック社「傑作面白文庫」
103 島村出版社と永島慎二『ひな子ちゃん「旅路」』
104 白土三平『こがらし剣士』と巴出版
105 東邦漫画出版社と横山光輝『夜光島魔人』
106 東光堂、手塚治虫、丸山俊郎
107 「虫コミック」とちばてつや『テレビ天使』
108 二見書房「昭和漫画傑作集」と水木しげる『河童の三平』
109 松本正彦「駒画」作品集『隣室の男』
110 草森紳一『マンガ考』とコダマプレス「ダイヤモンドコミックス」
111 生田蝶介『原城天帝旗 島原大秘録3』解説 歌人生田蝶介
112 新木正人『天使の誘惑』に寄せて 解説
113 出版史における自販機雑誌と『Jam』
追悼=小田光雄 偉大な仕事の評価はまさにこれから/鹿島 茂
あとがきにかえて/小田啓子
1 ホルモン焼きとゴルフ
2 時代小説と挿絵
3 知られざる貸本マンガ研究家
4 コミック、民俗学、異神論
5 澁澤龍彥、山手樹一郎、柳田民俗学
6 角田喜久雄と山中共古
7 時代小説、探偵小説、民俗学
8 中島河太郎と柳田國男
9 吉川英治『鳴門秘帖』と『世界聖典全集』
10 清水俊二、吉川英治、吉川晋
11 柴田錬三郎『江戸群盗伝』と山田風太郎『風眼抄』
12 『縄炎』を見る
13 消費社会、SM雑誌、仙田弘『総天然色の夢』
14 矢牧一宏と七曜社
15 1960年代の河野典生と『殺意という名の家畜』
16 天声出版と『血と薔薇』
17 『都市』と吉本隆明「都市はなぜ都市であるか」
18 寺山修司と新書館「フォア・レディース」
19 薔薇十字社と「ルート版の会」
20 『風から水へ』と同人誌『はやにえ』
21 再びの丸山猛と須賀敦子
22 自販機本の時代
23 明石賢生と群雄社出版
24 林宗宏、三崎書房、『えろちか』
25 追悼としての井家上隆幸『三一新書の時代』補遺
26 エパーヴ、白倉敬彦、『même/borges』
27 松田哲夫、筑摩書房「現代漫画」、『つげ義春集』
28 岡崎英生『劇画狂時代』と「シリーズ《現代まんがの挑戦》」
29 安原顕、竹内書店、『パイディア』
30 中野幹隆、『現代思想』、『エピステーメー』
31 「二十世紀の文学」としての集英社『世界文学全集』
32 森一祐、綜合社、集英社『世界の文学』
33 河出書房新社「人間の文学」「今日の海外小説」と白水社「新しい世界の文学」
34 美術出版社「美術選書」、宮川淳『鏡・空間・イマージュ』、広末保『もう一つの日本美』
35 『幻想と怪奇』創刊号と紀田順一郎『幻想と怪奇の時代』
36 『澁澤龍彥集成Ⅶ』、ルイス『マンク』、『世界幻想文学大系』
37 ハヤカワ・ミステリ『幻想と怪奇』、東京創元社『世界大ロマン全集』、江戸川乱歩編『怪奇小説傑作集』
38 新人物往来社『怪奇幻想の文学』と『オトラント城綺譚』
39 新人物往来社『近代民衆の記録』と内川千裕
40 草風館、草野権和、『季刊人間雑誌』
41 種村季弘『吸血鬼幻想』
42 紀田順一郎、平井呈一、岡松和夫『断弦』
43 恒文社『全訳小泉八雲作品集』と『夢想』
44 平井呈一『真夜中の檻』と中島河太郎
45 立風書房『現代怪奇小説集』と長田幹彦「死霊」
46 月刊ペン社「妖精文庫」と創土社「ブックス・メタモルファス」
47 『アーサー・マッケン作品集成』と『夢の丘』
48 『思潮』創刊号特集と「ミシェル・レリスの作品」
49 生田耕作とベックフォード『ヴァテック』
50 『マラルメ全集』と菅野昭正『ステファヌ・マラルメ』
51 バタイユ『大天使のように』と奢霸都館
52 コーベブックス、渡辺一考、シュウオッブ『黄金仮面の王』
53 思潮社とロジェ・カイヨワ『夢について』
54 ロジェ・カイヨワ『戦争論』と『人間と聖なるもの』
55 岡本太郎とバタイユ『蠱惑の夜』
56 クロソウスキー『ロベルトは今夜』
57 岡本太郎とマルセル・モース
58 河出書房新社「世界新文学双書」とロレンス・ダレル『黒い本』
59 『牧神』創刊号と小出版社賛助広告
60 『ノヴァーリス全集』と戦前の翻訳
61 『ロルカ全集』と五木寛之『戒厳令の夜』
62 神谷光信『評伝鷲巣繁男』
63 イザラ書房と高橋巖『ヨーロッパの闇と光』
64 近代社と日夏耿之介
65 日夏耿之介と『近代神秘説』
66 日影丈吉『市民薄暮』と「饅頭軍談」
67 ジャン・ド・ベルグ『イマージュ』
68 アナイス・ニン『近親相姦の家』と太陽社
69 あぽろん社と高橋康也『エクスタシーの系譜』
70 ルイ・アラゴン『パリの神話』と『イレーヌ』
71 バンド・デシネとマックス・エルンスト『百頭女』とシュルレアリストの画家たち
72 ダヴィッド・プリュドム『レベティコ』
73 つげ義春『夢の散歩』
74 青林堂『つげ義春作品集』
75 かわぐちかいじ『死風街』
76 ブロンズ社とほんまりう『息をつめて走りぬけよう』
77 喇嘛舎と石井隆『さみしげな女たち』
78 けいせい出版と宮谷一彦『孔雀風琴』
79 東考社と小崎泰博『幻の10年』
80 山田双葉『シュガー・バー』と山田詠美
81 『ガロ』臨時増刊号「池上遼一特集」と「地球儀」
82 北宋社と片山健『迷子の独楽』
83 矢作俊彦とダディ・グース作品集『少年レボリューション』
84 『つげ忠男作品集』と「丘の上でヴィンセント・ヴァン・ゴッホは」
85 戦後の漫画=コミック出版の変容
86 朝日ソノラマ「サンコミックス」と橋本一郎『鉄腕アトムの歌が聞こえる』
87 山根貞男と『漫画主義』
88 高橋徹、現代企画室、山根貞男『映画狩り』
89 冨士田元彦『さらば長脇差』と大井広介『ちゃんばら芸術史』
90 桜井昌一『ぼくは劇画の仕掛人だった』
91 梶井純『戦後の貸本文化』
92 辰巳ヨシヒロ『劇画暮らし』『劇画漂流』と『影』創刊
93 つげ義春と若木書房「傑作漫画全集」
94 完全復刻版『影・街』と短編誌の時代
95 東京トップ社、熊藤男、つげ義春『流刑人別帳』
96 佐藤まさあき『劇画私史三十年』
97 水木しげると東考社版『悪魔くん』
98 水木しげる『地獄の水』、暁星、門野達三
99 手塚治虫『新寶島』の復刻と清水勲『大阪漫画史』
100 『魔像』と『平田弘史劇画創世期傑作選』
101 楳図かずお「傑作漫画文庫」、松本正彦『劇画バカたち!!』、三島書房『鍵』
102 楳図かずおとトモブック社「傑作面白文庫」
103 島村出版社と永島慎二『ひな子ちゃん「旅路」』
104 白土三平『こがらし剣士』と巴出版
105 東邦漫画出版社と横山光輝『夜光島魔人』
106 東光堂、手塚治虫、丸山俊郎
107 「虫コミック」とちばてつや『テレビ天使』
108 二見書房「昭和漫画傑作集」と水木しげる『河童の三平』
109 松本正彦「駒画」作品集『隣室の男』
110 草森紳一『マンガ考』とコダマプレス「ダイヤモンドコミックス」
111 生田蝶介『原城天帝旗 島原大秘録3』解説 歌人生田蝶介
112 新木正人『天使の誘惑』に寄せて 解説
113 出版史における自販機雑誌と『Jam』
追悼=小田光雄 偉大な仕事の評価はまさにこれから/鹿島 茂
あとがきにかえて/小田啓子
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