タイトル 実録・白鳥事件
サブタイトル 「五一年綱領」に殉じた男たち
刊行日 2024年1月10日
著者 柳原滋雄
定価 2,200 円+税
ISBN 978-4-8460-2355-3
Cコード C0036
ページ数 304
判型 四六
製本 上製
内容
事件の軌跡を描いた渾身のノンフィクション!
1952年、運命が交わった2人の男、白鳥一雄と村上国治の運命の交錯
本書の主題となる「白鳥警部射殺事件」をめぐり、殺人罪の共謀共同正犯で起訴された村上国治は、最高裁で懲役二〇年の有罪が確定する。その後の再審請求審において出された「白鳥決定」が〝開かずの扉〞といわれた再審の扉を押し開き、一時的な「再審ラッシュ」の時代をもたらした。頑なだった司法に「風穴」をあけるきっかけとなった大元の白鳥事件は、〝冤罪を装った殺人事件〞にすぎなかった。
著者紹介
1965年福岡県生まれ、佐賀県出身。早稲田大学法学部卒業後、編集プロダクション勤務、『社会新報』記者をへて、フリーのジャーナリスト。政治・社会分野を主な取材対象とする。著書に『カンボジアPKO体験記』、『ガラパゴス政党 日本共産党の100年』、『沖縄空手への旅 琉球発祥の伝統武術』、『疑惑の作家「 門田隆将」と門脇護』、『空手は沖縄の魂なり 長嶺将真伝』など。
目次
プロローグ 再審ラッシュを生んだ白鳥決定 
第一章 開拓移民の倅 
社会主義の申し子  貧農としての宿命  東京の無線学校へ  戦争体験からの目覚め  日本共産党に入党  農民運動が原点  職業革命家の道  札幌委員長
第二章 警官になった文学青年 
オホーツク出身  転々とした小学校時代  帯広中学七期生  打ち込んだ剣道  初任地は小樽署  ハルピン留学  ノモンハン事件  歩兵第二七連隊  満州脱出  終戦直後の札幌
第三章 白鳥事件の発生 
雪国のテロ事件  七〇年後の現場  加害者側の証言  衆院特別委の調査  国会報告  朝鮮戦争と日本共産党  宮本の再合流と新綱領採択
第四章 党派あげての無罪運動 
村上国治の逮捕  裁判漬けの日々  殺人罪で立件  人民艦隊  二回目の敗訴  白対協結成  網走刑務所  母親の死去  再審請求  獄中の受賞  一七年ぶりの仮釈放  北の村上、南の瀬長  再審請求の終結
第五章 日本共産党の関わり 
暴力革命が前提  「五一年綱領」と宮本顕治  撤回された綱領  新たな「六一年綱領」  宮本を批判した不破兄弟  北と南の不屈党員  宮本顕治と白鳥事件  党史改ざん過程
第六章 冤罪死刑囚を救う「白鳥決定」 
再審拒否と白鳥決定  国民救援会  堕ちた冤罪ヒーロー  野坂除名と「五一年文書」  申し子の死去
第七章 事件を確定させた人たち 
再燃のきっかけ  小樽商科大学に呼ばれた高安知彦  多くの関係者が自白  地元ラジオ記者の著作  負の歴史を消し去る共産党  白鳥刑事記録のゆくえ  非公開に転じた松本市  他の刑事記録
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