タイトル 演劇の過去と現在
サブタイトル 日本近代演劇史研究会50周年記念論集
刊行日 2025年2月26日刊行予定
著者 日本近代演劇史研究会 編
定価 3200円+税
ISBN 978-4-8460-2436-9
Cコード C0074
ページ数 312
判型 A5
製本 上製
内容
1975年9月、日本近代演劇史の見直しを目的に掲げ、日本近代演劇史研究会が発足。創立50年の節目を迎え、演劇の過去と現在を大胆に読み解き、演劇研究の新局面を拓く13名のメンバーによる最新の論文・翻訳を集成。
著者紹介
井上理惠(いのうえ・よしえ)
桐朋学園芸術短期大学名誉教授。日本近代演劇史研究会代表、日本演劇学会理事。演劇学・演劇史・戯曲論専攻。『近代演劇の扉をあける』(社会評論社、以下同)で第32 回日本演劇学会河竹賞受賞。単著:『久保栄の世界』『ドラマ解読』『菊田一夫の仕事』『清水邦夫の華麗なる世界』『川上音二郎と貞奴 全三巻』『村山知義の演劇史』他、共著:『宝塚の21 世紀』『木下順の世界』『島村抱月の世界』『福田善之の世界』他。

林 廣親(はやし・ひろちか)
成蹊大学名誉教授。日本近代文学と演劇についての作品論を柱とした研究を専門とする。著書に『戯曲を読む術― 戯曲・演劇史論』(笠間書院、2016 年)。共著に『木下杢太郎『食後の唄』注釈・作品論』(笠間書院、2020 年)、『島村抱月の世界』(社会評論社、2021 年)、『『源氏物語』と日本文学史』(風間書房、2021 年)など。論文に「「濠端の住まひ」を読む―〈可哀想〉の遠近法による志賀直哉論の試み」(『国語と国文学』、2024 年6月)など。

熊谷 知子(くまがい・ともこ)
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館助手。専門は小山内薫を中心とした日本近代演劇。共編著に『築地小劇場100 年― 新劇の20 世紀』(早稲田大学坪内博士記念演劇博物館、2024 年)、近年の論文に「築地小劇場の第1回宝塚中劇場公演(1925)」(『西洋比較演劇研究』21 (1)、2022 年3月)など。

寺田 詩麻(てらだ・しま)
龍谷大学文学部日本語日本文学科准教授。研究対象は、近代の歌舞伎の劇場における興行方法と上演作品。著書に『明治・大正 東京の歌舞伎興行― その「継続」の軌跡』(春風社、2019 年)。共著に神山彰編『興行とパトロン 近代日本演劇の記憶と文化7』(森話社、2018 年)など。論文に「河原崎座と九代目市川團十郎」(『歌舞伎 研究と批評』64 号、2020 年2月)など。雑誌「劇評」(木挽堂書店、月刊)で関西の歌舞伎評を担当(不定期)。

大串 雛子(おおぐし・ひなこ)
明治大学大学院文学研究科演劇学専攻博士後期課程。明治大学文学部助手。岡田八千代の作品を中心に、日本近現代の戯曲の分析を行う。論文に「岡田八千代脚色『灰燼』における父の不在― 徳冨蘆花原作からの変更点をめぐって」(『文学研究論集』57 号、明治大学大学院、2022 年9月)、「岡田八千代『黄楊の櫛』における櫛の呪い」(『演劇学論集』78 号、2024 年6月)。

内田 秀樹(うちだ・ひでき)
法政大学大学院人文科学研究科日本文学専攻博士後期課程満期退学。岸田國士の作品を中心に大正・昭和の演劇の研究を行う。共著に日本近代演劇史研究会編『革命伝説・宮本研の劇世界』(社会評論社、2017 年)、日本近代演劇史研究会編『つかこうへいの世界― 消された〈知〉』(社会評論社、2019 年)。論文に「『紙風船』論― 新しい演劇論の試み」(『山梨大学国語・国文と国語教育』、1999年)など。

福井 拓也(ふくい・たくや)
上智大学文学部国文学科助教。久保田万太郎を中心に、日本近現代文学におけるジャンルの諸相を検討している。共著に『久保田万太郎と現代』(平凡社、2023 年)など。論文に「久保田万太郎「大寺学校」と築地小劇場」(『演劇学論集 日本演劇学会紀要』2024 年6月)、「ひとりよがりな諸表現―志賀直哉「クローディアスの日記」から郡虎彦、武者小路実篤」(『近代文学合同研究会論集』2024 年3月)など。

伊藤 真紀(いとう・まき)
明治大学文学部教授。近代の日本演劇を中心に研究。能楽史に関する論文として「近代における『女流能』の成立と展開― 女性の能と『芸術』という理想」(比較舞踊学会『比較舞踊研究』29 巻、2023 年3月)などがある。そのほか、戯曲研究に「シナリオ『つか版・忠臣蔵』―『滅私』型の自己表出」(日本近代演劇史研究会編『つかこうへいの世界― 消された〈知〉』社会評論社、2019 年2月)など。

今井 克佳(いまい・かつよし)
東洋学園大学教授。日本近代演劇史研究会事務局長。専門は日本近代文学・演劇。近代文学研究では大正期を中心とした詩の分野を取り扱い、演劇については、戦後の現代演劇を中心に研究してきた。共著として近劇研『井上ひさしの演劇』(翰林書房、2012 年)、同『つかこうへいの世界― 消された〈知〉』(社会評論社、2019 年)など。演劇研究と並行して『第二次シアターアーツ』等に劇評執筆も行ってきた。AICT(国際演劇評論家協会)会員。 

久保 陽子(くぼ・ようこ)
富山高等専門学校一般教養科・准教授。寺山修司を中心に、ジェンダーの観点から現代演劇作品の研究を行っている。近年では富山の文学・演劇研究にも取り組んでいる。共著に日本近代演劇史研究会編『つかこうへいの世界 消された〈知〉』(社会評論社、2019 年)。論文に「観客の身体の拘束・挑発― 寺山修司「観客席」論」(『昭和文学研究』87 号、2023 年9月)、「小寺菊子の労働観と小説「赤坂」における揺らぎの諸相」(『群峰』8号、2023 年4月)など。

鈴木 彩(すずき・あや)
愛知教育大学国語教育講座・専任講師。泉鏡花の作品を中心に、日本近現代の小説-演劇間の翻案(アダプテーション)作品や、小説家が書いた戯曲の分析を行う。著書に『泉鏡花の演劇 小説と戯曲が交差するところ』(花鳥社、2023 年)。共著に日本近代演劇史研究会編『井上ひさしの演劇』(翰林書房、2012 年)など。論文に「伝説から「海神別荘」へ・「海神別荘」から歌劇へ」(『昭和文学研究』81 号、2020 年9月)など。

ボイド 眞理子 (ボイド・まりこ)
上智大学名誉教授。専門は現代日本演劇、特に人形演劇。ミッションは上質の日本の現代演劇を海外に発信すること。単著には『静けさの美学― 太田省吾と裸形の演劇』(2006 年)と『人形演劇の現在 モノ、モノ遣い、アクター』(2020 年)。共著は『二十世紀の戯曲Ⅲ:現代戯曲の変貌』(2005 年)等がある。英訳には日本劇作家協会編『現代日本の劇作』10 巻(1999 ~2009 年)と「ENGEKI:21 世紀の日本演劇」10 巻(2016 ~2025 年)。

湯浅 雅子(ゆあさ・まさこ) 
演劇学博士(英国リーズ大学)。日本の現代演劇や近世演劇を英語に翻訳、翻訳翻案して上演。著書に『対訳 湯浅版近松世話物戯曲集』(社会評論社、2014 年)。『Four Plays of Minoru Betsuyaku― 湯浅雅子の訳した別役実の戯曲』(社会評論社、2023 年)他。共著に『岸田国士の世界』(翰林書房、2010 年)。2017 年に「近松プロジェクト」の仕事に対して第52 回大阪市市民表彰を受ける。
目次
Ⅰ 演劇の過去を見なおす
二世左団次と小山内薫の実験演劇 自由劇場(井上理惠)
築地小劇場と『演劇新潮』―演劇史のトピックを読み直す試みから(林廣親)
小山内薫『国性爺合戦』にみる国劇観(熊谷知子)
長田秀雄『石山開城記』について―「御真影」の示すもの(寺田詩麻)
岡田八千代『名残の一曲』における〈音〉(大串雛子)
岸田國士「屋上庭園」―〈嘘〉と〈現実〉と〈ファンテジイ〉と(内田秀樹)
宮本研「五月」と〝家庭劇〟(福井拓也)
井上ひさしの戯曲『イヌの仇討』とラジオドラマ『仇討』― 「自作自演」の「物語」としての「忠臣蔵」(伊藤真紀)

Ⅱ 演劇の現在
野田秀樹の時代― 核のイメージ『パンドラの鐘』『オイル』を中心に(今井克佳)
「私」を演技する劇団青い鳥―「青い実をたべた」の上演(久保陽子)
永井愛「鷗外の怪談」が描く森林太郎― 書くこと/読むことが織りなす「怪談」(鈴木彩)
現代演劇に於ける脱人間中心主義の台頭とポストヒューマンとの関わり(ボイド眞理子)
英訳 別役実作『金襴緞子の帯しめながら』(湯浅雅子)

日本近代演劇史研究会の歴史と研究成果
あとがき
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